Friday, December 24, 2010
新青森
12月11日。新青森駅まで延伸された東北新幹線に乗ってきた。長大な八甲田トンネルを抜けて正午に青森に辿り着くと、予報通り天気は崩れている。真新しい新青森の駅員は、MY FIRST AOMORIキャンペーンなどどこ吹く風で、なかなかのぶっきらぼうぶりだ。新青森からは奥羽本線に乗り換えて青森駅。駅前の埼玉屋食堂へ入り、いくら丼、生たらこ煮付、ほっけすりみ汁などをいただく。ストリップの青森DX劇場跡を過ぎ、昼でも暗い陋巷の第三新興街を見学していると、雨脚がさらに激しくなって、ますます暗然としてきた。味わい深い新町の商店街を抜けて、工藤パンのベーカリーで活イギリストーストなどを買い込んでから、喫茶摩論で小憩。居心地の良い摩論への再訪を誓いつつ、隣の喫茶パルナスも気になる。港に面した物産館のアスパムに行って物産を物色し、ブラックロッジの小人のような爺様から天然ヒバの箸などを買い求めた。
アスパム前から乗ったバスは、新幹線にあわせて運行しているというダイヤが全く機能しておらず、小半時以上遅れて県立美術館に到着。閉館まで30分しか無いと念を押され、駆け足で青森ゆかりの冬のコレクション展を廻った。成田亨のケムール人やダダらの原画で少し歩みを緩め、目当ての小島一郎のプリントをぎりぎりまで眺め悶える。短い時間ではあったが、青森県立美術館はなかなかいい。乱れたダイヤのおかげでちょうど遅れてやって来たバスで新青森に行き、奥羽本線で再び青森駅へ。駅前の民藝店で裂織の筆入れ。夕食はアスパム10階の郷土料理屋に行ってみた。10階から臨む窓の外は、夜の津軽海峡の闇黒だった。食後、軽い気持ちで寄った書店の成田本店しんまち店の棚が素晴らしい。ささやかながら『津軽艶笑譚 第一集』と永山則夫の『木橋』を購入させていただく。永山則夫は五能線板柳駅前のマーケット長屋なるところで育ったという。投宿し、風呂上がりにはやはりシャイニーアップルジュース。夜食にはアップルパイをいただいた。