Saturday, October 31, 2015

リリー

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釧路駅から十字街の方へ向かう途中に立ち寄った古本屋の豊文堂で『日本伝奇地帯の謎』なる本を購入。店内に貼ってあったチラシで市立博物館で炭鉱写真展をやっていたことを知り、それに行っても良かったなと思う。繁華街まで歩き、レストラン泉屋にて昼食。スパカツというソウルフードは、トンカツの乗ったスパゲッティ・ミートソースがアツアツの鉄板にのってジュージュー言って出てくる。窓の外には小雪が舞っている。

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食後は珈琲店リリーに移動して珈琲。カウンターには常連さんが3人。そのうち2人が帰ると、すぐに「なにあれ…」と、こちらへ首をしゃくりながら、面倒そうな常連さん2人が入れ代わりでカウンターへ。カウンターから離れて座っている自分への非難だったようで、カウンターを出るママの足は少し悪いようだった。リリーさんはライブやら何やらで毎日忙しくて大変そうだ。店内には昭和十年代のモダンな店の内外やウェイトレスさんの写真が飾られている。

リリーを出て、最後に釧路空港行きのバスの始発であるフィッシャーマンズワーフへ。次のバスまで一時間近くあるが、大して土産などを見る気はおこらない。隣接する港には護衛艦が停泊していてるので、少しだけ近づいて観察する。後で調べたら、補給艦『ましゅう』という艦はこの日一般公開していたようで、もっと近くまで行っていれば良かったらしい。

風はまだ少し強いが、台風は去って飛行機は無事に羽田に辿り着いた。昼に釧路のレストラン泉屋の窓から見たのはやはり雪だったようだ。釧路はこの日が初雪ということだった。

厚岸

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釧路市街のタリーズにて朝食をとりつつ、昼に行こうと思っていた渋いラーメン屋の三栄軒の営業時間を再確認していると、先頃、郊外に移転していることがわかって消沈する。結局、昼の時間は気にせず、昨日と同じ快速ノサップで根室方面の厚岸まで行くことにする。繫ぎ用に駅で買った糠さんまのおにぎりが凄まじく美味い。風は強いが、昨日と打って変わって空は晴れわたっている。金色に光る枯野は美しいものの、森は暗くて濡れている昨日の方が味わいがあったかもしれない。

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牡蠣弁当で有名な厚岸駅もまた、この夏をもってキオスクが閉店したとの張り紙が寂しく残っている。港まで出てみたものの、吹き飛ばされそうなほど本格的に風が強くなってきて、とても岸壁までは近寄れない。潮は厚岸湖の方に向かって凄い勢いで流れている。厚岸大橋までは思ったより遠そうだったので、適当に歩いたところで、純喫茶アポロにて小憩。店内には駅伝中継と有線の音が絡み合っている。音楽はアハの「テイク・オン・ミー」に続いて「ドント・アンサー・ミー」。その次は「ドント・ユー・ウォント・ミー」あたりかと思ったが、ヴァン・ヘイレンの「パナマ」だった。厚岸からは次の根室本線の上りで再び釧路へ。厚岸湖の先の湿原を再び見れなかったのは残念だが、曇った緑色の厚岸湾も美しい。空がまた何ともいい色で、地表に近い空の水色が絶妙に美しい。

鉄北センター

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10月25日。昨日、根室本線を根室まで往復しておいたので、寝坊してゆっくり釧路を見るつもりだったものの、つい朝7時には目が覚めてしまう。ビタミンカステーラを齧りながらテレビのニュースを見ていると、昨日は札幌と稚内で初雪だったという。丸山動物園で動物が続々と死んでいる悲惨なレポートがどうにもいたたまれず、テレビはそこそこにして荷物をまとめ、早めに宿を発った。

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昨夜訪ねて素晴らしかった駅北側の鉄北センターを復習していると、さらにその北側も飲屋街のようなので足を伸ばす。剥がれかけた看板を見ると鉄北銀座という文字が見える。こちらもなかなかの風合いで、鉄北エリアはなかなかの規模を誇る美しいスナック地帯であった。南口に戻って中心街の方へ向かう。途中、珈琲店リリーはまだやっていないようなので、タリーズの開店を待ちながら、朝の飲屋街をぐるっと回る。酔っぱらいの仕業なのか本気の仕業なのか、鮭を高らかに掲げた漁師の銅像が「定休日(毎週日曜日)」という札を一緒に掲げている。

Friday, October 30, 2015

釧路

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根室からの上り列車を駅でのんびり待つことにして、出発時刻より少し早めに駅に戻って見ると、駅はクラブツーリズムのご老人方で酷く混み合っていた。この夏に廃業したばかりのキオスクのシャッターには、釧路出身の作家桜木紫乃原作の映画『起終点駅』のポスターがポツンと貼られている。ツアー客を乗せた満員の列車が根室駅を出発する。何だか変な列車に乗り合わせてしまったなと思っていたら、ツアーの皆様は最東端の駅である隣の東根室駅で降りていった…。夜になって一層列車の鹿笛は鳴りまくり、減速に次ぐ減速。とはいえ、釧路には定時に到着した。

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釧路の駅前で宿を取り、荷物を降ろして外に出る。まずは駅の北側に回り、ポツリポツリとスナックの明かりが灯る鉄北センターを徘徊。寂びたスナック街がなかなかのボリュームを誇る素敵な一画である。7時も過ぎたので南口に戻って、夕食に食事処むらかみでホッケ定食。カウンターの中では北林谷栄さん風のお婆さんと渡辺和博風の息子さんが取り仕切り、テレビでは日本シリーズの第一戦。常連らしき釧路のみなさんはスワローズよりだが、力的にソフトバンクの優勝でしょうがないといった大勢だ。勿論、カウンターに置かれたティッシュボックスはファイターズではある。並びの常連さんが頼んでいるクジラの生姜焼きが激しくそそる。主人の話では、よく顔を見せていたクジラ関係の先生か最近来ないし、恐らく釧路にやってきていないのだろうということで、もうこれから調査捕鯨による鯨肉も入ってくるのかわからないとのこと。いい状態で冷凍したものに関してはまだあるのだという。

釧路の夜空はやけに赤い。歓楽街の末広町を少しぶらついて宿に戻り、何となくテレビをつけていると、常呂、網走、佐呂間などに続き、根室や別海にも暴風警報の速報が入る。駅前のバスターミナルの幟は激しくはためいている。

Thursday, October 29, 2015

根室

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根室行の快速ノサップは釧路からなかなかの混みっぷり。向かいのホームからは湿原ノロッコ号が出発していく。釧路〜根室間は道内でもシカ問題の多い区間で、絶え間なく鹿笛仕様の甲高い警笛が鳴っている。釧路から根室半島に向かっても湿原は続き、雨のせいもあるのか緑がかった白樺の林もより水っぽく、釧網本線から見る湿原よりも味わいがある。厚岸湾を越えて、別寒辺牛川が厚岸湖に流れ込むあたりの湿地がまた恐ろしく素晴らしい。銭形警部がホームで見守る茶内駅に続いて、浜中駅では当地出身のルパン三世がホームで出迎え、今は使われていない出札口には不二子ちゃんの姿も見える。釧路から2時間ほど快速に揺られ、13時過ぎに根室駅へ到着。予報ではまだ雨ではないはずだが、どうやら雨に追いかけられているらしい。

根室駅から海の方へ下り、本格的な雨になる前に、根室の町を散策。濡れ鼠なので最東の古書店・榧古書店は前だけを通り過ぎ、飲み屋の連なる広小路も直線的にやり過ごしてしまいつつ、町外れの国後島海底ケーブル通信所跡まで歩く。雨中、ボロボロの通信所跡をぐるぐる眺め回していて、目の前にあった水産加工場のお兄さんに、これは有名なものなのか聞かれてしまった。

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根釧国道から根室はなまる本店を素通りして町まで戻り、喫茶どりあんで根室のローカル洋食エスカロップをいただく。カツの下に敷かれたバターライスが美味い。どりあんも居心地がいい店なのだが、短い滞在時間を欲張って、食後の珈琲はジャズ喫茶のサテンドール。ジャズ雑誌の並ぶ書棚の片隅に映画館放浪記というファイルというのを見つけ、少し拝見させてもらうと、荻窪や西荻の劇場のチラシがコレクションされている。西荻には銀星座なる映画館があったらしく、広告は「アルサロBAR西荻プリンス」に「純喫茶紫苑」という素敵なラインナップであった。

Wednesday, October 28, 2015

柳葉魚

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10月24日。霜降。網走の朝の気温は6℃。早朝の駅の待合室のモニターには、北海道知事がサハリンを訪問したというニュースが流れている。6時台の釧網本線釧路行はキハ54の一両編成。網走を出てすぐ列車がオホーツク沿岸に出ると、羅臼岳の方から朝日が登ってくる。河口は釣り人で大賑わいで、浜にも3メートル間隔で延々と釣竿が刺さっている。朝食にセイコーマートのようかんパンを齧りながら、オホーツク沿岸を東へ進む。このあたり、オホーツク側の海景もいいが、濤沸湖側の枯野っぷりもいい。

斜里を過ぎて釧網線が南へと進路を変えると、東にはうっすらと白い斜里岳が見えてくる。川湯温泉に向かって白樺の林間を進んでいて、『人間の條件』の満州の森を逃げる場面で、槍にしようにも柔らかい白樺しかないという話があったことを思いだす。林間を流れる平たい水の流れが北海道らしい。弟子屈を過ぎて席もかなり埋まってくる。これぐらいの乗車率なら減便の必要は無さそうな気もするのだが、釧網本線では来春に6本減便されることが報じられている。南弟子屈あたりで林間に鶴。9時も過ぎて、標茶からは学生の乗客も増えてくる。茅沼にはタンチョウの姿は見られず。塘路で列車交換のためにしばし停車のため、ホームに出て少し身体を動かす。塘路駅前の原野ぶりはなかなか素晴らしい。

10時過ぎに釧路に到着すると、雨がポツポツと落ちてきた。台風が近づきつつあるということで、明日に向けて徐々に荒れる天気を憂慮し、先に根室を回ることにする。根室行の出発まではまだ小一時間あるので、駅前の市場まで出て腹拵えする。シシャモ定食を頼み、食堂のカウンターにあった釧路新聞を開くと、一面に解禁されたシシャモの初揚げの記事。ということは、これからいただくのは初物ではないというで、いささかガッカリしながらも、本場のシシャモはかなり美味かった。

Tuesday, October 27, 2015

常呂

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北見からはバスでオホーツク海まで出て常呂町へ。町への買出し帰りらしいお婆さん連でバスはそこそこ賑わっている。街道を60キロで走るバスは、普通に乗用車に抜かれていく。道中、お婆さんはしきりに土質の良し悪しについて解説している。ポン隈川あたりの自由下車区間で多くの杖をついた老婆の皆様が下車していき、終点の常呂までの乗客は3人であった。

湧網線が廃線になって出来た常呂のバスターミナルも、既に老朽化で取り壊されて今は改築中。仮説ターミナルの裏に広がるオホーツク海をしばし眺め、常呂の町をぷらっと歩く。知ってはいたつもりだったものの、実際に来てみても常呂の町域は広くはなく、とりあえずカーリングホールまで行って戻ってくる。常呂町内では、錆び錆びのシャッターの絵にカーリングのイラストを見たが、他はあまりカーリングを謳っている感じはない。道端のはまなすに赤い実がなっている。

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日も暮れて、バスの時間までしばらくあるので、「コーヒーハウスしゃべりたい」にて小憩。何もない町に佇むカフェは、何ともオアシス感がある。店内は林立夫が表紙のドラムマガジンが立てかけてある。5時に店を出てバス停に戻る。オホーツク海の夕焼けが美しい。

網走に向かうバスに乗る頃はすっかり日が沈み、途中から乗る客はライトを振って合図している。バスは能取湖の西岸をぐるっと回っていると思うのだが、対岸と思われる遠くの幽かな明かりの前に、広大な空間があることぐらいしかわからない。網走駅に着いて駅前の宿に投宿。駅から離れた網走の繁華街まで足を伸ばすのは億劫なので、駅付近をブラブラして回転寿司に入り、本日のオススメの生ニシンやアオゾイなどを軽くつまんで宿に戻る。風呂上りにはセイコーマートで買った季節のソフト・北海道メロンをいただく。そして、北海道といえばハスカップのいろはすだろう。

Monday, October 26, 2015

北見

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10月23日。羽田を出た飛行機が女満別空港に着陸し、網走駅行のバスに乗込むと、満席だった飛行機の乗客は一向にバスに現れない。発車を待つガランとしたバスの両替機で千円札を崩すと、出てきた硬貨はピリッと冷えている。バスは網走湖岸を通る。白樺の黄色い葉がまだ少し残っている。網走の市街に入り、ほどなく網走刑務所に差し掛かる。英語のアナウンスに直截「Next stop is prison.」と言われると、何かの暗喩のようでハっとする。

網走駅に着いて、次の石北本線の発車を待って待合室に入る。モニターには「あさイチ」で、ゲストは朝ドラに出演中の宮崎あおい。改札が始まって寒い構内に入る。清々しく寒いホームから乗込むキハ40の有無を言わさぬ暖かさがたまらない。遠軽行の列車は二両編成で、後部車両の乗客は4人。中吊りには来年の北海道新幹線開業の広告が出ている。暗い樹林の中に不意に現れる、へにゃっと折れ曲がった白樺の白さは殺伐とした味わいがある。

網走から1時間ほど乗車して北見。駅の土産店でざっと名産のものを見て、ハッカ楊枝などを購入する。駅を出て閑散とした駅前の片側式のアーケード街を少し歩く。「きなり」という食堂に入り、昼食に「北国のコロッケ定食」。店内はもう灯油ストーブが炊かれている。後から入ってきた常連さんが、ずらっと並んだ『静かなるドン』の50巻をすっと取って席に着く。ゆっくり出てきた定食は丁寧な味で、味噌汁や卵焼きも真面目に美味い。まだ少し時期は早いが、有線から「Do they know it's Christmas」がかかっているのも冬っぽくて良い。

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昼食を終えて再び町を歩いていると、人だかりのしている菓子店があり、つられてふらふらと寄ってみる。店内では、わずかに残っている鮎のような菓子を、腰の曲がった老婆が取り憑かれたように買い漁っていて、1コも残さないんだな…と遠巻きに眺めていたところ、すぐに補充するというので少し待って購入。「ほっちゃれ」という鮎の鮭版のようなもので、他にも3万円以上も買っている人もいる。

アーケードの商店街を抜け、キャバレー太陽の看板も素敵なスカイビルを過ぎると、あたりは歓楽街となる。外まで響くカラオケの歌声につられ、ユニオンビル地下のスナック街を素見す。薄暗い地下街の赤く妖しげなリノリウムの廊下を、「ナイト・パブ・タイムスリップ」の波打つロゴに導かれる白昼のタイムスリップ感が目眩を誘う。他にもナイトインヒルトン、ナイトサロンエマニエルなど素敵なネオン管が町中に見られるが、夜には現役で光っている姿が見られるのだろうか。駅の方へ戻り、西銀デパートの地下名店街にて、シャンデリアが素敵な喫茶雅で小憩。隣の席のおばあさんが孫夫婦やひ孫と一緒に沖縄に行ってきた土産話をしている。

Friday, October 16, 2015

三江線

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三江線が廃線になるとのこと。三江線はもう少し先の話だと思っていた。

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次は石見川本から銀山に行こうと思っていたのだが。

Sunday, October 04, 2015

本多スタジオ



幡ヶ谷から代々木上原まで歩いてディッシュ。昔の通勤路を歩いてシモキタまで。日曜のジャーミーはケバブ屋まで出て大賑わいであった。