Thursday, October 29, 2015

根室

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根室行の快速ノサップは釧路からなかなかの混みっぷり。向かいのホームからは湿原ノロッコ号が出発していく。釧路〜根室間は道内でもシカ問題の多い区間で、絶え間なく鹿笛仕様の甲高い警笛が鳴っている。釧路から根室半島に向かっても湿原は続き、雨のせいもあるのか緑がかった白樺の林もより水っぽく、釧網本線から見る湿原よりも味わいがある。厚岸湾を越えて、別寒辺牛川が厚岸湖に流れ込むあたりの湿地がまた恐ろしく素晴らしい。銭形警部がホームで見守る茶内駅に続いて、浜中駅では当地出身のルパン三世がホームで出迎え、今は使われていない出札口には不二子ちゃんの姿も見える。釧路から2時間ほど快速に揺られ、13時過ぎに根室駅へ到着。予報ではまだ雨ではないはずだが、どうやら雨に追いかけられているらしい。

根室駅から海の方へ下り、本格的な雨になる前に、根室の町を散策。濡れ鼠なので最東の古書店・榧古書店は前だけを通り過ぎ、飲み屋の連なる広小路も直線的にやり過ごしてしまいつつ、町外れの国後島海底ケーブル通信所跡まで歩く。雨中、ボロボロの通信所跡をぐるぐる眺め回していて、目の前にあった水産加工場のお兄さんに、これは有名なものなのか聞かれてしまった。

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根釧国道から根室はなまる本店を素通りして町まで戻り、喫茶どりあんで根室のローカル洋食エスカロップをいただく。カツの下に敷かれたバターライスが美味い。どりあんも居心地がいい店なのだが、短い滞在時間を欲張って、食後の珈琲はジャズ喫茶のサテンドール。ジャズ雑誌の並ぶ書棚の片隅に映画館放浪記というファイルというのを見つけ、少し拝見させてもらうと、荻窪や西荻の劇場のチラシがコレクションされている。西荻には銀星座なる映画館があったらしく、広告は「アルサロBAR西荻プリンス」に「純喫茶紫苑」という素敵なラインナップであった。