Sunday, November 25, 2012

怪獣殿下



ぶらっと多摩川まで歩いて、多摩川住宅からバスに乗って帰った。家に帰り、ゴモラの回だというので、ウルトラマンのリマスター放送を見てみると、つい先ほど見上げた給水塔が映っている。ウルトラマンの第26話『怪獣殿下』は、南の島で眠っていた恐竜ゴモラが万博の見せ物にされるために日本に運ばれてくるという金城氏らしい物語で、団地の設定も関西ではあるはずだが、その容姿は紛うことなき多摩川住宅であった。昭和39年に着工されたマンモス団地の多摩川住宅は、日活撮影所のお膝元にありながらも、ウルトラシリーズ御用達の団地でもあるようで、セブンやタロウなどにも登場するらしい。ちなみに成田亨にデザインされたゴモラの頭は黒田長政の兜を模したものであるという。そして来週放送される後編でゴモラは大阪城を破壊することになる。

Tuesday, November 20, 2012

Monday, November 19, 2012

六曜館



「六曜館さん江」と添書きのある高峰秀子の色紙を六曜館珈琲店で見て思ったのは、何の撮影で甲府に来た時なのかなということだった。甲府のバス会社の話とはいえ『秀子の車掌さん』は戦前なので流石に古すぎるし、深沢七郎の『笛吹川』の撮影の時にでも寄ったのだろうかと思い、甲府でロケしたかもしれない高峰秀子の映画を調べてみると、木下惠介監督の『二人で歩いた幾春秋』という映画がある。この映画の中には、甲府市内にある岡島デパートの食堂で高峰秀子がカツ丼か親子丼を悩むシーンがあるそうで、六曜館の建物の経年ぶりからしても、昭和37年の映画なら、その可能性も無くはないように思えた。

また、岡島デパートと聞いて思い出したのは、市内を散策していた時に当のデパートあたりで見かけた六曜館という骨董屋が、駅前の珈琲店となんらかの関係があるのだろうかと思ったことで、そこで六曜館骨董店についても少し調べてみた。しかして、骨董店と珈琲店のオーナーは同じ方のようである。色紙の「六曜館さん江」というのは、骨董好きの高峰さんが岡島デパートの撮影についでに骨董店に寄って…ということは多いにありうる。後は六曜館骨董店が当時から岡島デパートあたりにあったのかなど、六曜館の創業について調べてみると、喫茶店の方が昭和48年、骨董店は昭和51年のオープンということがわかった。つまり、残念ながら昭和37年の『二人で歩いた幾春秋』の撮影には全く間に合っていないことになってしまった。

六曜館珈琲店は、駅前旅館の萬集閣一階の片隅で営業している。遅まきながら、その萬集閣の玄関のガラスの上隅に古美術古民芸とあったことを思い出し、撮っていた写真をよくよく見てみると、植木に隠れた硝子の部分に「ギャラリー六曜館」の文字が見える。これはおそらく骨董店もこちらで開業したと思っていいのだろう。まあ、珈琲店でも骨董店でもどっちも六曜館は六曜館であるが、映画の撮影と関係は無さそうなのは少々残念な気もする。六曜館珈琲店には、今度、乗継ぐ時にでも寄って行こう。そしてカツ丼か親子丼のどっちかを岡島デパートに食いに行きたいと思う。

Sunday, November 18, 2012

オリンピック通り



11月11日。7時起床。昨日、歓楽街を通りがかった時に見た看板によると、特殊浴場の舞姫さんの早朝サービスが9時からだったので、その前に行けば辺りも少しは静かだろうと思ったものの、朝も7時から早朝サービスしているスチワーデスさんのような店もある。しかし、まあそんな時間の利用者がそうそういるわけもなく、呼び込みの人も出ていないので、ほぼ眠っている朝の歓楽街をぶらぶらと巡る。味わい深い裏路地が続き、オリンピック通りの暗がりに陶然とさせられる。

あたりをつけていた喫茶店が定休日だったので、甲府の駅前に戻る。バスターミナルのベンチでずんちゃんパンを頬張りながら、昇仙峡に向かうバスの行列がみるみる膨らんでいく様を見るにつけ、あれに乗るのは無理だと観念する。昨日回れなかった北口を徘徊すると、駅前では、新山梨県立図書館の開館記念式典が行われようとしている。図書館の新館長は何故だか阿刀田高氏だという。朝日通りの商店街をしばし北に進んだ先で、アーケードの新天街の素晴らしさに思わず息を飲む。



駅に戻りがてら、美味いけれどもセクハラが凄まじいことで評判の焼きいも屋の、見事なまでに廃屋風情を見学に伺った。やっているかわからないというか、どちらかといえばやってるはずのない佇まいなのだが、装飾用に吊られた芋からするとシーズンには入っているらしい。駅に戻り、しばし山交百貨店のスタバでゆるりとして、午前中のうちに特急かいじで帰路についた。車窓の紅葉は、まぁ、はじまりつつあったんではないかと思っている。

Saturday, November 17, 2012

萬集閣



11月10日。正午間際の中央本線の各駅停車に乗って、1時間半ほどで終点の甲府に到着した。甲府は18きっぷの乗継ぎで立寄った時も駅前でほうとうを食べたぐらいで、今までほとんど歩いたことがない。まずは駅前をぐるりとして、蔦に埋もれた六曜館珈琲店で少憩する。あれば軽食でもと思ったが、極めて純粋な純喫茶である。ホットレモネードに魅かれつつ、気候もよく店内も暖かいのでアイスコーヒー。「六曜館さん江」宛てられた高峰秀子の色紙が額装されて壁に掛かっている。一服してからは駅前を南へ進む。荒川に及んで視界が開けると、御坂山地の上からのぞく富士山の冠雪した姿がなんとも美しい。荒川の橋を渡ってほどなく、住宅街の中に「ずんちゃんパン」があらわれる。店内に足を踏み入れると、駅から歩いて来たことに驚かれ、多いに歓待をうける。余所者風情を匂わさずにいられるわけもないのだが、東京から来た者だとか名乗らされるのは、どうにも恥ずかしい。パンとあわせ、無骨で素朴なクッキーにもそそられて大量に買い込み、おまけに柿までいただいてしまった。ありがたく柿を購入したパンの袋に入れて去ろうとすると「パンがつぶれてしまいます」と厳しく戒められたので、あわててカバンに詰め込み、パンの方は大事に持ち帰らせていただいた。

さらに南甲府まで歩くことも考えたものの、そのまま引き返して中央商店街の方に向かう。内藤多仲や山田守による庁舎が取り壊されて普請中の甲府市役所を過ぎ、特殊浴場の呼び込みで賑やかな歓楽街を抜けるとアーケードの銀座通りに出る。銀座通りの春光堂書店のセレクトぶりはあまりにやばいので、ついつい箍が外れそうになりながら、ひとまず大山倍達の『世界ケンカ旅』を購うのに留める。こちらでは、書店オリジナルの印傳ブックカバーもとても素敵だったのだが、文庫の紙のブックカバーは2000年の山梨文学館のモノで少し寂しい。地元の文学館の地味なものとはいえ、広告モノのブックカバーはちょっと残念である。夕食には、昨晩、家でほうとうを食ってしまったので、甲府駅の食堂街で焼き飯。駅前の山交百貨店の食品街で風林火山茶など地産のものを物色し、六曜館珈琲店に戻る。六曜館でもう一杯珈琲を飲んでも良かったが、そのまま二階へ上がって投宿。六曜館喫茶店は、駅前旅館の萬集閣の一角に入っている。

テレビのローカルニュースでは、高校サッカーの山梨県大会決勝で、日本航空高校が初優勝したことを告げていた。山梨学院の4連覇を阻んだ日本航空とはどんな高校かと思って調べてみると、卒業生の中に大山倍達の名がある。大山倍達が山梨に縁があるとは全く知らなかったし、春光堂の棚も特に地元関連棚というわけでもなかったので、『世界ケンカ旅』を手にしたことには奇縁を感じてしまう。そういえば、J2を優勝したヴァンフォーレ甲府の優勝パレードは来週に行われるそうだ。

Tuesday, November 06, 2012