11月11日。7時起床。昨日、歓楽街を通りがかった時に見た看板によると、特殊浴場の舞姫さんの早朝サービスが9時からだったので、その前に行けば辺りも少しは静かだろうと思ったものの、朝も7時から早朝サービスしているスチワーデスさんのような店もある。しかし、まあそんな時間の利用者がそうそういるわけもなく、呼び込みの人も出ていないので、ほぼ眠っている朝の歓楽街をぶらぶらと巡る。味わい深い裏路地が続き、オリンピック通りの暗がりに陶然とさせられる。
あたりをつけていた喫茶店が定休日だったので、甲府の駅前に戻る。バスターミナルのベンチでずんちゃんパンを頬張りながら、昇仙峡に向かうバスの行列がみるみる膨らんでいく様を見るにつけ、あれに乗るのは無理だと観念する。昨日回れなかった北口を徘徊すると、駅前では、新山梨県立図書館の開館記念式典が行われようとしている。図書館の新館長は何故だか阿刀田高氏だという。朝日通りの商店街をしばし北に進んだ先で、アーケードの新天街の素晴らしさに思わず息を飲む。
駅に戻りがてら、美味いけれどもセクハラが凄まじいことで評判の焼きいも屋の、見事なまでに廃屋風情を見学に伺った。やっているかわからないというか、どちらかといえばやってるはずのない佇まいなのだが、装飾用に吊られた芋からするとシーズンには入っているらしい。駅に戻り、しばし山交百貨店のスタバでゆるりとして、午前中のうちに特急かいじで帰路についた。車窓の紅葉は、まぁ、はじまりつつあったんではないかと思っている。