Thursday, August 06, 2009

日野春



帰路の残りは全て中央線となる。名古屋駅を昼過ぎに出て多治見駅で下車。多治見の町を少しだけ覗いていく。乗り継ぎの中津川で駅うどんを食べ、霧の立ち昇る木曾谷を中央線で抜ける。塩尻からは東線。1時間程して山梨に入ると、もう家に近づいた気になるが、ここからさらに3時間電車に揺られなければならない。日野春駅では通過待ちで10分ほど停車。このあたりが生息地だというオオムラサキはちょっとだけ時期を外しているだろうか。三鷹で中央特快を降りると、まだスコールに尾行されていた。

中村遊郭



27日。栄地下街の喫茶店コンパルでモーニングをいただき、地下鉄に乗って上前津駅へ。上前津駅から大須観音駅までは、大須の商店街をぶらぶらと歩く。文珠小路というアーケードを少し入った路地に入り、天井に下がるワイヤーで包まれたの街灯を見上げて、ふと『快楽殿の創造』のアナイス・ニンを思い起こす。仁王門通から万松寺通を越えて、開演の準備に忙しい大須演芸場の前を過ぎる。中入後に名が見える柳家三亀司という芸人さんは、都々逸家ではないらしいが、柳家三亀松の孫弟子にあたるようだ。艶歌シャンソニエの「ひと:みちゃん」も少し気になる。大須観音駅からは地下鉄を乗り継ぎ中村日赤駅へ。またしてもスコールに襲われながら、中村遊郭を暫しうろつく。それにしても、かつての牛若楼で、「御休憩にも御商談にもお気軽にどうぞ」という看板の残る「ビジネス旅館牛わか」が健在であれば、小憩でもしていきたいほどの本降りである。中村映劇の入口あたりでモジモジしていた学生服の男子は、名作の誉高い『乳搾り』を無事に入場して見ることが出来ただろうか。ようやく雨も弱まってきたので、何となく名古屋駅まで歩いたらやっぱり遠かった。

Wednesday, August 05, 2009

永平寺



ローカル線ガールズこと女性アテンダントさんから門前町マップなどともに、雨も弱まるかも…と気休めの言葉をいただく。ただ、激しい雨に打たれながら山深い禅寺に行くのも悪くはない。永平寺では数珠を手に入れ、無事に旅の目的を果たした。ということで、ここからは復路ということにする。えちぜん鉄道で再び福井駅。福井駅からは北陸本線を敦賀へ。敦賀ヨーロッパ軒でソースカツ丼を食うつもりだったが、スコールのためそのまま北陸線を乗り継ぐ。米原から東海道線に入り、名古屋でひつまぶしをいただいて投宿。

地鉄



翌26日。日曜の朝まで飲みつづけた客を見送るホステスやホストが一服する歓楽街を抜け、富山駅で朝ロッテリア。富山地鉄に少し乗り、寺田駅まで行って戻って来る。富山地鉄の駅の素晴らしさといったらない。それからは昨日の北陸本線の続き。快速で金沢まで行き、ホームでたこ焼きをつまんで、各駅の福井行に乗り込む。福井駅で下車するとスコールだった。えちぜん鉄道の待合室でも、甲子園の福井予選が雨のために中断するところがテレビに流れている。えちぜん鉄道は永平寺口駅まで乗車。

Tuesday, August 04, 2009

富劇横丁



引続き柏崎から信越線に乗って直江津に進み、直江津からは北陸線の富山行に乗り換えて終点まで。「一つ家に遊女も寝たり萩と月」の市振駅を通る…という心構えを蔑ろにさせる日本海の夕日が凄い。富山に着いて、駅前の富劇ビルと富山シネマの両映画館跡の食堂街に感嘆し、夕餉に地のモノを少しいただく。市電伝いに総曲輪の方へ歩き、ドレスの女性行き交う歓楽街の賑わいを抜けて、桜木町の安宿に投宿。

渋川パレス



先月25日の話。永平寺に数珠を買いに行こうと思って電車に乗る。だらだら北陸まで行くのは上越線経由でもそんなに時間が変わらないようなので、渋川の落合簗で季節の鮎でも食っていく。水上温泉の寂れ感に後ろ髪をひかれながら上越線を乗り切って長岡で信越線に乗換え。信越線を少し乗って柏崎のコーヒースタンド駅前で休憩した。
数珠紀行