6月4日、雰囲気に流され広島に来てみた。山間の空港から広島駅に着くと、まずは駅前の愛友市場や京橋会舘などを堪能。駅の西側にひっそり佇む大須賀町の飲屋街もまた捨て難い魅力だ。ただし、残念ながら広島日劇は跡形も無い。駅前で広島焼きをちゃちゃっと食べてと思いきや、やたら時間が掛かって少しあせる。市電を比治山下まで行き、広島太郎さんじゃなくて、都築響一の展示を鑑賞する。まあ、やはり結果的に精子宮を中心に…。皆実や流川あたりもフラつきたかったけど、それはまた今度。ちから広島駅店でおはぎを買い込み、呉線で安芸川尻へ。
川尻からは今治行きの高速船で大崎下島の御手洗まで乗船する。重伝建地区の街並は常にそれなり。投宿前に高台から瀬戸内を眺めておこうと、おいらん公園という所へ上る。この日の宿は、かつて遊郭として町を盛り上げた船宿だったという建物。とにかく夕食が凄くて、あなきゅうやたこの先付けから、鯛の活造り、メバルのあんかけ、かれいの唐揚げ、穴子蒲焼、たいそうめん、はまち寿司といった次第(予め貝はパス)。長い食事が終わってとっぷり日も暮れると、長屋にはべっぴんさん(花魁)の打掛と自分一人が残され、椋鳩十の離島ものがたり「黄金の島」を読みつつ床についた。