Friday, January 28, 2011

喜多方



1月4日。新潟は仕事始めの朝。村上発の越後線に乗り込むと、新潟駅でほぼ降りるものだと思っていた乗客は、次の白山まで乗って行った。粉雪がちらつき、みな傘を持っている。吉田からさらに越後線を乗り継ぐ予定にしていたところ、追突がどうしたとかで止まっているので、弥彦線に乗り換え。東三条からは信越線の新潟行に乗る。冬休みの盛り場行き列車はどうも喧しく、新津で降りてゆっくり磐越西線を待つことにした。雨の新津を一回りしたが喫茶店見つけられず、駅のデイリーズの喫茶コーナーへ。三色だんごはやはり買うことにした。新津の駅スタンプを押してみると、「花と緑と石油の里」という惹句。油井やぐらの図案が魅力だ。



先週、記録的な豪雪に見舞れた会津なので、些か運行を危惧していた磐越西線もとりあえず無事。キハ47のボックス席に陣取って新発田三新軒の「くるまえびとさんまのすしあわせ」を早速開く。新津を出てすぐ、製油なんとかいう石碑が見えた。東新津駅の案内版に見えた煮坪とかいう文化財もまた石油関連なのだろうか。線路は山間に入ってからは阿賀野川にそって延びていく。深緑色の阿賀野川の水量は豊か過ぎる。次第に雪も深くなり、雪原に残された柿の木の橙い実が鮮やかだ。山都駅から一ノ戸川橋梁を渡り、視界に会津盆地が拓ける瞬間にはっとした。久しぶりの喜多方は母の故郷で叔父の大家族もいるのだが、ひっそりとぶらつく。和菓子の田原屋で「ゆべし」や「ここのえ」などを買い込むんで、御年賀の手拭をいただいく。思いがけず新年を慶んだが、帰って開いたら2010年のカレンダー手ぬぐいだった。駅前の珈琲煉瓦で小憩し、会津若松へ。「あれは観光さん?」とか聞こえよがしに言ってくるから通学列車は疎ましい。会津若松は昨年行けなかった七日町あたりを。素晴らしい佇まいのハトヤ分店にて、東野英治郎の御老公様を見ながら、ソースカツ丼をいただく。美味い。会津若松駅に戻って土産屋で一目惚れした柿渋のべこを購入し、駅前にて投宿。夜空の暗さに目が慣れるとカラスの大群が飛んでいた。遠くには鶴ヶ城が光っている。