Saturday, February 26, 2011

鶏めし



2月12日。6時15分起床。前夜おやつに摘んで美味かった相馬屋のあんぱんをおみやげに補充。花輪線に乗って食すクリームパンも美味かった。閑散とした渋民駅に啄木の顔出し看板が見える。大更で列車交換。上り下りとも乗客多し。雲がかかっている八幡平を眺め、松尾鉱山を想う。松尾八幡平を過ぎて少し線路が登りはじめると、安比高原あたりで粉雪が舞い始めた。スイッチバックの十和田南駅で下車し、小坂町に向かうバスに乗る。毛馬内という街で乗客を全員降ろすと、後は小坂まで一人。毛馬内は良さそうな町だ。現存する最古の芝居小屋があることで知られる小坂は鉱山で栄えた町。さっそく廃線の鉱山鉄道の小坂駅を発見するが、雪に埋もれていて近づけない。お囃子の流れる明治百年通りはさらっとやり過ごし、川沿いにある映画館の花園館へ。ここは完全な廃館なのかと思っていたが、子供映画などをやっているようだ。ついでに製錬所の方にも近づいてみると、こちらもなかなか素敵な鉱山ぷり。どこか我が谷は緑なりき的な構造物も遠くに見える。残念ながら近づけないので、彼方に吹き出す煙をみて胸を躍らせる。



十和田南に戻ってからは花輪線で大館へ。大館はアメッコ市という祭りのようで、改札を出た所で白髭の神様にあめっこをいただいた。大館駅周辺の味わい深い経年ぶりは素晴らしい。ただし、目当てだった名物駅弁の鶏めしが完売だったのには呆然とした。大館からは奥羽本線で弘前に向う。天候はすっかり良い。弘前駅前でバスを待っていると、ガイドの方がどこに行くか聞いてくれるが、成人映画館とはなかなか言えない。バスから見て、何このパリと思ったのはメゾンマルタンマルジェラだった。秘した行先のテアトル弘前にも無事辿り着き、あたりの歓楽街をぶらついてから、高砂という評判の蕎麦屋で食い逸れた昼食をいただく。これが甚だ美味い。前川國男の弘前こぎん研究所もやはり行って良かった。名曲喫茶ひまわりで小憩し、夕焼けの岩木山を背に弘前を後にする。通路の向かいの夫婦がおつかれとかいいながらプシュッとやっていると思ったら、鶏めしを食っていやがった。秋田に到着し、七代佐藤養助で稲庭うどんをいただく。駅からはふらふらと川反の歓楽街を少しかすめて歩いて投宿。なんだかホテルが臭い。