Friday, February 25, 2011

三陸



2月11日。大荒れの予報の中、本年度も紀元節の連休を使って雪見を敢行した。一面雪景色の関東平野を臨み、これから向かう北の厳しさは如何ばかりかと気を引き締めるものの、連休初日の新幹線内はすっかり行楽ムード。車内販売の弁当は売り切れ、食いっぱぐれた若者が饅頭でお茶を濁している。一寝入りして仙台で目覚めると、空はまるっきり晴れていた…。一ノ関から大船渡線の快速スーパードラゴンに乗継ぎ。摺沢駅の乗降客がずいぶん多いので調べてみると、政友会が我田引鉄で大迂回をさせた町であった。気仙沼からは昨季シカと接触したエリアを過ぎ、陸前高田で下車。廃映画館の高田交友館が残っていればと思ったものの、やはり全然間に合っていない。高田の町は思っていたよりもひっそりしていて、旧年中に閉店した旨の張り紙が目立つ。高田からは再び大船渡線に乗り込み、終点の盛駅へ。楽しみにしていた蕎麦屋の保原屋本店は「臨時休業」の札の横にでかでかと「当分休みます」の張り紙。大盛況の支店に回り、油揚を刻んだ志乃だそばをいただく。地元の方々が「今、床屋行ってきた」と休日の社交をしている。



盛駅から三陸鉄道に乗って次は釜石へ。1両編成の南リアス線の乗車率は2〜3割ながら、アテンダントさんも同乗している。大観音が見えて来ると、ほどなく釜石に到着。観音方面のバスに乗っているリュックのご老人たちは観光ではなく、観音様はあさっての方を向いている。遥か彼方に大観音が見えるので、思わず停留所を運転手さんに確認してしまうが、それにしても圧倒的な寂れっぷりだ。エスカレータで観音様の足下に辿り着き、観音様の胎内をぐるぐると螺旋状に昇る。張り出す腕の上を歩くと足がすくんだ。バスで商店街に戻り、名所呑兵衛横丁を少し素見すものの灯りは少ない。工藤精肉店食堂部にて唯一人ポークソテーを待つこと25分、列車の時間も迫り、5分弱で食べられたのは半分ほどだろうか。盛岡直通の釜石線は人も疎ら。通路を挟んで反対のボックス席の女子は睡眠用のあったか靴下を履き足し、トロ箱オットマンですっかりくつろいでいる。車窓から見えた葬儀の花環には、新日鉄鉄友会と記されていた。遠野駅で交換した快速はまゆりは回転クロスで快適そう。花巻からは少し混むものとと思っていたが、全くゆったりしたまま3時間かけて盛岡に到着した。盛岡駅で宮古のパン屋だという相馬屋のパンをパッケージに魅かれ買い込む。ついでにテトラパックに入った南部煎餅ミミも二種類ほど求め、駅前にて投宿。