Saturday, July 23, 2011

夕霧楼



9日。宿を出て清水寺に近づいていくと、想像以上の修学旅行っぷりに、遥か手前で撤退した。バスに乗り込み四条大宮で下車。千本通りを北上する。実物のカフェーの鑑札は初めて見た。二条の喫茶チロルで小憩していると、常連らしい客が「蚊がおるからベープ持って来い」といって店主を困らせている。さらに北上して、夕霧楼の五番町あたりをふらつき、映画館の千本日活を拝む。今出川に辿り着く頃にはかなり消耗して、喫茶静香に逃げ込んだ。冷たい飲み物を摂るのに必死だったけど、やはりホットケーキも食えば良かったかなとは今さら。最終的に、目標にしていた船岡温泉、かざりやに辿り着くことなく、バスで京都駅に引き返す。最後に駅で軽く鱧素麺をすすって帰路についた。『つくられた桂離宮神話』はまた後日読もう。


Friday, July 22, 2011

桂離宮



8日。四条のイノダで珈琲をすすり、京都駅に出てからバスで桂へ。見学の前に中村軒にて麦代餅で小憩。桂川から臨む東の空が広い。がっかりしても良いなどと、失礼かつ卑怯な態度で挑んだ桂離宮は、思いのほか楽しむ。終始やんごとない調子で進行した離宮案内は、完成された「暑い京都」ネタで締めくくられた。灼熱の離宮見学を終え、再び訪れた中村軒でいただくいちご氷がまた激しく美味い。



阪急の桂駅までだらだら歩き、駅前の大阪王将で軽く腹ごしらえ。嵐山駅に出てからはバスで愛宕山に登り、愛宕、化野の念仏寺を巡って嵯峨野に下る。四条から三条をふらふら歩き、寺町通の食堂の常盤できつね丼。きつね丼はレパートリーに追加しようと思う。夜食に中村軒で買い込んだ菓子をいただくと、ことごとく美味でたじろいだ。

Thursday, July 21, 2011

コロナ



7月7日。震災に消えてなくなる街を目の当たりにして、ずっと先延ばしにしていた京都の離宮を見に行くことにした。個人的にはもっと喪失が差し迫った貴重な物件もあるものの、いい加減見たいと言い続けるのがどうにも白々しい気がする件なので、とにかく行って来た。ゆっくり家を出て、京都に着いたのは午後1時過ぎ。大雨の中、どうしたものかとたじろぎつつ、まずは高山寺に向かった。雨の栂尾山中には蟹や蛙が跳梁し、国宝の石水院では、模本の鳥獣戯画の上を蟻がうろついている。梅雨に濡れる山梔子が瑞々しい。



三条から夕暮れの先斗町を抜け、四条河原町の洋食コロナで念願の玉子サンドをいただく。残念ながらビフカツの方は無く、ピースカツをつまんだ。これも美味い。宿から目と鼻の先ながら、昨冬の一斉検挙で営業再開の見通しのたたない五条楽園には足を伸ばさなかった。ついでに林商店の焼き芋も買えず、百貨店でもとめたおばんざいを夜食に貪る。