湯本の駅前からハワイアンセンターに行くバスを尻目に温泉街を歩き、鄙びた食堂にてカツ丼を食す。食堂のテレビでは震災以来の再開となった福島競馬の開幕を、ローカル局が知らせている。食堂の脇の小道を奥へ進むと、映画館の三凾座がある。近年復活して時々上映などをしているという情報を得て、素晴らしい佇まいを堪能したのだが、後日、解体が決まっていたことを知り愕然とした。温泉街の外れまで歩いて、線路の向こうに聳える常磐炭鉱の竪坑櫓を見上げ、引き返して佐波古の湯へ。木村牛乳のパスチャライズドのフルーツオレが美味い。
ガラガラで長大な編成の常磐線を湯本駅から二駅乗車し、磐越東線乗換のいわき駅へ。乗換待ちに暫し歩いた駅前の道路がデコボコで、まだまだ残る震災の爪痕を思い知らされる。駅の南側はなかなか巨大な飲屋街である。磐越東線に乗って阿武隈高地に差し掛かると、小雪が混じって全く三春どころではない。終点の郡山駅へは17時過ぎに到着。郡山も小雪がちらついている。空しくも駅前の成人映画館が霧消しているのを見届け、崩壊寸前の文化マートだけを辛うじて拝す。ポークソテー専門店にて晩餐をなし、百貨店のうすいで目当のヨーグルト菓子を購う。菓子パンのクリームボックスは探し出せず。郡山駅の連絡通路を延々と渡った果てに、もの寂しい工場口にて投宿した。