9月6日。4年ぶりに永平寺へ参拝に出かけようと思う。早朝に家を出て、遥か北陸の小松空港には9時20分に到着。福井駅行きのバスに乗ると、幽かに丸岡城の天守が見える。9月の初頭にしては随分と涼しいものの、この日は少し特別だろう。福井駅で勝山名物の羽二重くるみを購入し、間もなく永平寺行きのバスに乗換える。道すがら稲束を抱えて歩いている作業着長靴の女子たちは、農林高校の女学生らしい。30分ほどバスに揺られ、午前中のうちに永平寺に到着。門前の池に浮かぶカエル像を前に、小さなカエルがちゃぽんと池に飛び込んだ。
粛々と伽藍を巡って恙無く参拝を済ませ、羽二重くるみをつまみながら、ガランとしたバスで永平寺口駅まで戻る。羽二重くるみは結構美味い。永平寺口駅からは、えちぜん鉄道の勝山永平寺線と三国芦原線を乗り継いで、日本海側の三國港まで進む。途中、鷲塚針原駅前の野っ原に立っているのは「売地」の看板かと思いきや「コスモス園・ご自由にお取り下さい」とのお知らせであった。14時過ぎに三國港驛へ着き、文化財の眼鏡橋を渡って食堂で少し遅めの昼食。焼魚定食のカレイがなんとも美味い。
三國の町を歩きはじめ、かつての色町に差し掛かかる。ふいに床屋から出てきた人に追いかけられて一瞬身構えるが、親切にも三国の観光マップを渡しに出てきてくださった方である。ポツポツと店が続く古い商店街を2駅ほど歩き、三国神社駅からは隣町の芦原温泉へ向う。