Wednesday, September 28, 2011

竪坑櫓



門司港から鹿児島本線快速で香椎、香椎からは香椎線に乗換えて酒殿へ。田園地帯の真ん中にぽつんと佇む酒殿駅から、田んぼの向こうのボタ山を目指し、かつての勝田線を辿って志免炭鉱へ向う。ボタ山を回り込むとあの竪坑櫓が現れた。聳え立つコンクリートの遺跡はホーシツクツクのサンクチュアリだった。志免駅跡の公園を抜けたところでどうにも気になった素敵な商店は、郷ひろみの親戚がやってる饅頭屋さんだったそうで、ひろみの焼き印が入った饅頭を買い損なったことを後で知る。大正町の商店街を抜け、素晴らしい店構えの三洋軒支店にてワンタン麺。引き戸や椅子をミリ単位な感じで几帳面に直す店主氏もなんか堪らない。志免からは路線バスで福岡空港へ。博多の森で試合があるらしく、周辺が少し渋滞している。散々疲れても夜のフライトとリムジンバスは窓から目が離せないから困りものだ。


Tuesday, September 27, 2011

旦過市場



9月10日。朝の京町を軽く流し、防空監視哨の残るワシントンビルの姿に見とれながら旦過市場へ。マーケットの活気溢れる混沌ぶりが何とも凄まじい。マーケット横の小倉昭和舘では、夏の名画特集に高峰秀子2本立と松本清張2本立などを上映している。旦過からモノレールに乗り、眼下にマーケットを見下ろして、小倉駅に戻る。小倉からは鹿児島本線で門司港へ。門司港の駅は想像していた以上に荘厳で、素晴らしい頭端式のターミナル駅だ。駅前で、ごぼ天うどんを啜り、中央市場の方へ歩く。裏通りにひっそりと佇むカフェー街跡の一角が甚だ趣深い。カプセル怪獣のウインダムを思い起こさせる入口の中央市場もまたなかなか麗しかった。気になっていた都食堂では、おばちゃんに「ちゃんらーあるよ」と声をかけてもらったものの、うどんを食ったばかりなので「また来ます」とか適当なことを言ってしまう。せっかくだし、麺をもう一杯ぐらいなら食えたかもなぁと後悔したりする。栄町銀天街あたりをふらふらし、甘味処の梅月にて小憩。雪ミルク氷で涼みつつ、おじさま達皆が頼む焼きそばが大いに気になる。


Monday, September 26, 2011

伊田



日田彦山線を後藤寺で乗り継いで田川伊田で下車すると、プラットホームからも「さぞやお月さん煙たかろ」と唄われた三井炭坑の二本の煙突が見える。改札を外に出ると、先日世界記憶遺産に選定された山本作兵衛を祝す断幕が張られていた。伊田の素敵な商店街をぐるぐると徘徊し、かつて駅の西部に広がっていた松原の炭鉱住宅跡を訪れる。6月末の新聞記事では「昨年20棟が解体されて14棟が残り、12年度までに事業を終える計画」との話だったが、純粋な住宅跡はもう最後の1棟を残すのみ。既に建て変わった団地を背に広大な空き地にはトンボばかりが舞っていた。しばし佇んでは気を取り直し、煙突を目印に石炭記念公園へ。公園内にある石炭歴史博物館には、一昨年に目黒美術館の炭坑展でも見た山本作兵衛作の絵画が所蔵されていて、晴れて世界記憶遺産に選定された作品に再び見えることとなった。「斜坑」という店名に惹かれて訪ねた蕎麦屋は残念ながら売切御免ということだったので、駅に近い喫茶店でホットサンドを軽くつまんだ。



伊田からは日田彦山線で終点の小倉まで。小倉へは2年ぶりで、前回うろついていて気になった鳥町食堂街の赤ちゃん食堂に赴き、焼うどんなどを食す。カウンターでプラスチックの総菜パックをつまみにビールを召し上がっている「お父さん」が、店内のテレビで流れるパンチパーマ発祥の地は小倉という話題に緩く突っ込んでいる。「お父さん」は軽く注意されながらも、第二ラウンドに出かけて行った。ちなみに焼うどんも小倉発祥とされるものの一つ。食後は京町あたりを素見そうかと思ったものの、かなり本気の町並みを前に弱気の虫が出て適当に切り上げる。小倉名画座は相変わらず健在。

Sunday, September 25, 2011

夜明



9月9日。朝の温泉街を軽く散策しながら駅に向うと、ちょうど特急があったので鳥栖まで乗ってしまった。鳥栖駅では、念願だった中央軒の名物かしわうどんを朝食にいただく。駅前の中央市場は期待通りに物寂びて素敵な佇まいを湛えていたものの、目当ての八起キャンデーは優雅に不定休。旭店ならやっていたのだろうかと、後で気付いて少し悔やむ。鳥栖から鹿児島本線を2駅だけ南へ移動して久留米、久留米からは久大本線に乗換えて東へ。購入しておいた鳥栖駅のもう一つの名物だと言う焼麦(しゃおまい)はまずい。唐突な河童駅舎の田主丸駅を過ぎ、乗換の夜明駅で下車。夜明駅は開業以来の木造駅舎を昨年改築してしまったらしく、駅舎の味わいは全く欠いているものの、山間で路線分岐する駅の風情が素晴らしい。ここからは日田彦山線に乗り込み、今度は北に向う。


Saturday, September 24, 2011

唐人屋敷



観光通りからは、中華街を抜けて唐人屋敷通りへ。マーケットから続く丸金温泉の路地の本場さながらな中華風情には思わず唸らされる。市民病院前から再び市電に乗って次は大浦の方へ向かう。ここまでかなり歩いていたので、天主堂の丘には向わず、大浦の崖下のマーケットを少し歩く。蓬萊市場は残念ながら業者の下見が入っているような段階で、もはや風前の灯火のようだ。オランダ坂は登坂口からいきなり20%の激坂だったので断念し、市電を折返し賑橋まで戻る。中島川沿いを進み、眼鏡橋を通ってカステラの松翁軒。会計を済ませた後、受け取りを待つ間にいただく冷茶がなんとも美味い。市電で長崎駅に戻り、駅弁と五島のかんころ餅など求めて、佐世保行きの快速シーサイドライナーで長崎を後にした。大村線を行くシーサードライナーは大村湾に沿って進む路線。ちょうど日没の時刻にかかり、大村湾に沈む夕陽が美しい。早岐からは佐世保線に乗り換えて武雄温泉へ。長崎で適当に買ったかしわめしの駅弁もなかなか美味い。



武雄温泉駅は新幹線長崎ルートの開業に備えて随分立派な建物になっているが、駅前には特に何も無いので、少し離れた温泉街までふらふらと歩く。県道から温泉街へ入ると、風俗店がポツポツ並ぶ先に、夜間照明に浮かぶ楼門が見えた。辰野金吾による国重要文化財の楼門は、手狭な一等地に大衆食堂が紛れ込んでいるどさくさ感もまた素晴らしい。楼門と同じく重文の新館をざっと見て、門前の旅館白さぎ荘に投宿。こちらは遊郭跡の見事な風情を残している旅館で、あわせて重文指定したいぐらいの素晴らしい物件である。一服してから、武雄温泉本館の元湯へ。湯上がりには、やはりブラックモンブラン(佐賀のアイスバー)をいただかない訳にはいくまい。

Friday, September 23, 2011

丸山町



9月8日。台風の間隙を縫って長崎へ。幼い頃に長崎に来た時は、熊本の三角から雲仙を回って長崎に入り、寝台特急「あかつき」を神戸で降りて墓参してから新幹線で帰った。長いこと、寝台の「さくら」で長崎に行くのにも憧れていたが、上空から見下ろす長崎の島々もたまらない。空港からバスで長崎駅に出て、まずは恵美須町の大黒市場をうろつく。来年3月で移転する予定のマーケットは、閉まったシャッターに移転や閉店を告げる張り紙も目立つが、市場の人々のいい顔写真展のギャラリーにもなっている。長崎駅前からは市電に乗って思案橋へ。ツル茶んのトルコライスで腹拵えし、花街の丸山町あたりを散策。歓楽街の中に佇む銅座市場がまた素晴らしい。入り組んだ路地の奥で、爺さんに可愛がられている猫としばしフォトセッション。一頻り丸山町を廻ってからはアーケード街の喫茶店サンウミノで少憩。フルーツサンドとミルクセーキ。ウミノのロゴをデザインした日本で五本の指に入るデザイナーって誰だろう。


Wednesday, September 21, 2011

ロウキー



平常心でやり過ごす。