仙崎まで通しで乗る人はいない。駅を出ると竿竹屋の売り声が響き、傾きつつある陽の光も相俟って、金子みすゞの町にやってきた気がした。駅前のみすゞ通りを進み、金子みすゞの生家である書店を継いだ木村聖文堂に立ち寄る。どうしたって今年のポエムは「いいえ誰でも」なので、何かしら関連書籍でも買おうかと思っていたのに、どうしても買う気になれなくて退散してしまった。おまけに珈琲屋が定休なら、食堂も閉まっている始末で、いたたまれずに駅前に戻ってみる。次の列車まではまだしばらく時間があったが、ちょうどバスがやって来たので山陰本線の長門市駅まで乗ってみた。夕暮れの長門市駅のまわりを少し見て回り、山陰本線で益田。益田駅前は臭い。地図でみて気になっていた「キャバレー赤玉」あたりをふらりと歩いてみると、ドレッシーな女性が街を闊歩している。予定より早く投宿したので、CWCのバルサ戦をだらっと見る。