Saturday, December 20, 2014

梅壹



正月から始めた旧東海道歩きの仕上げで箱根へ。箱根の山を登った暁には湯宿でも…ということで宿を予約して迎えた当日は生憎の雨。山歩きは諦めて、小田原から箱根湯本までの間を歩くことにする。守谷のパンで菓子パンを買い込み、流鏑馬の行われている小田原城内を抜けてから、柳屋ベーカリーでさらにあんパンを買い足し、なだらかな東海道を歩く。年末を迎える国道1号には箱根駅伝の交通規制を告げる幕がそこら中に見える。湯本の駅を前に旧道に入って湯本茶屋を過ぎ、軽く石畳を歩いた辺りで本日の旧東海道歩きは終了。箱根観音の急峻な崖を降り、暁庵で遅い昼食に蕎麦をいただく。奥湯本から湯本の方に戻り、丘を塔ノ沢の方へ回り込んで、福住楼に投宿した。

癒すほど足に疲れはないが、ゆっくりと湯を楽しむ。冬至を二日後に控え、湯には柚子が浮かんでいる。そして素晴らしい晩餐。幸田露伴が泊まったという部屋には、他に宿泊客として大辻司郎の名前が挙げられている。調べてみると漫談家の草分けの方だそうで、日航機「もく星号」墜落事故の犠牲者の一人だとのこと。息子は市川崑や増村保造の映画で活躍した大辻伺郎。部屋には大辻氏の扁額が飾られていた。