Wednesday, November 26, 2014

首里劇場

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市民病院前からモノレールに乗って隣の儀保で降り、首里城の方へと進む。街中には先週末に行われた知事選のポスターがまだ残っている。安谷川坂を南に歩いていると、細い石段の脇道が見える。谷底には閑寂とした史跡の井戸があり、しばし佇んで蚊に刺されまくる。道に戻って琉球王家御用達であったという醤油蔵を過ぎ、坂を登りきったあたりで安谷川の御獄を拝む。

安谷川坂を逸れ、続いて成人映画館の首里劇場を拝す。唐破風調の屋根に、幾重にも塗装の剥落した劇場のファサードが甚だ美しい。劇場前の医院の門前には、熟れきったラフレシアのような色をした花が、今にも腐り落ちそうになって垂れ下がっている。元を辿っていくとバナナの若い実がなっているのでつい目を疑った。幼児が遊んでいる児童所のすぐ隣で、喘ぎ声が響き渡る首里の長閑さには心和む。63年続いたフィルムでの上映を終了する首里劇場は、来月からデジタルでの上映に移行してしまう…という情報を帰京後に知り、激しく機を逸した感を噛み締める。

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しむじょう

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11月21日。連休前の沖縄便は全くの満席で、隣のお嬢さんがパラパラとめくっている『情報通信産業立地ガイド』のパンフがふと目について気にかかる。モノレールのフリー切符を買って空港駅のホームに出ると、日米野球のラッピングが施された車輌が止まっている。那覇では、昨日、セルラースタジアムで日米野球が行われたらしい。混雑した列車が空港駅を出て那覇基地の間を抜けていく。国際通り口の牧志でようやく車内が落ち着き、末吉宮の丘を臨む市民病院前駅で下車。甚く高所に設けられた駅のホームから眺める緑の丘は濃厚な南国であった。

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各戸に鎮座するシーサーを眺めつつ、住宅街を丘の方へ歩く。霜月も下旬ながら、庭先に咲く花は鮮やかで、立派なドラゴンフルーツの実なども見える。丘の麓で森にさしかかると「ハブに注意」の札に迎えられる。昼食にと向かったしむじょうは築百五十年余の石垣に囲まれた古民家。午後も二時を過ぎてジューシーが完売し、セットメニューは終了しているので、三枚肉そばをいただく。紅く無い生姜がワイルドで美味い。畳敷きの古民家は開放的でまったく気持ちが良い。置いてあった琉球新報を畳の上で広げてみると、「金口木舌」という天声人語的なコーナーに、長寿ラジオ番組「民謡で今日拝なびら」の上原直彦氏の言葉が引かれていた。

Tuesday, November 18, 2014

決闘零下30度

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夕張本町。ほか健さんの映画に関する場所など。やはりどうしても寒いところになる。(高倉健 1931年2月16日 - 2014年11月10日)

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網走監獄

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青森森林博物館(『八甲田山』青森歩兵第5連隊庁舎)

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増毛町 国稀酒造(『駅』)

Saturday, November 15, 2014

西郷山



西郷山でしばし読書。富士山に夕陽が沈んでいった。



Monday, November 03, 2014

阿部Q

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d design travelの山形篇をパラっと見ていたら、鶴岡の阿部久書店のことが載っていた。一昨年に鶴岡を訪ねた時に、70年代の『月刊庄内散歩』と杉村春子先生の写真集を購入した書店で、昨年改築して、現在は喫茶スペースまであるとのこと。丸谷才一も鶴岡だったんですな。

Sunday, November 02, 2014

小田原邪宗門



引続き大磯から旧東海道。二宮町に入る目前、街道の食堂でアジフライ。地元の方々はラーメンやカツ丼を食べている。なかなか見事な近代建築物が残っている国府津の駅前を過ぎ、小田原市に入って高岡以来となる邪宗門で小憩。鎌倉から移転した小田原邪宗門は、三寶寺の境内にあってモダンな店であった。見事なこけしを持参された老師と会話する住職に合掌で見送っていただいて店を後にする。酒匂川を渡り小田原宿を目前に、正月以来のあじわい回転寿司禅で少し寿司をつまむ。夕刻、小田原城まで進み、本日の行程は終了。愈々次は箱根ということになる。

Saturday, October 18, 2014

大番



辻堂から旧東海道歩きの続き。藤沢市を過ぎ、松並木に迎えられて茅ヶ崎市の駅前あたりで昼食。大賑わいの横浜飯店で肉そばをいただく。相模川を渡って宿場町の平塚に入り、喫茶プランタンで小憩。素晴らしい喫茶店。平塚の街中には其処彼処に和菓子屋があり、どこもなかなか繁盛している。町もはずれになって流石に閑散としている和菓子屋をのぞくと、獅子文六が大磯に住んでいた頃に愛好したというどら焼きがあるので買っていく。名前が『大番』というと、作品の舞台である宇和島の銘菓があるが、ごちゃごちゃは言うまい。大磯宿に向かう化粧坂の風情がなんとも素晴らしい。

Tuesday, October 14, 2014

富士見



恐ろしい目をした台風19号が過ぎて快晴の朝となり、三脚を置いて富士を望むカメラマンが天文台裏に出勤している。わずかに雲がかかり、まだ黒い富士山であった。

Wednesday, October 08, 2014

月蝕



都下は見事な皆既蝕の夕べであった。

Wednesday, October 01, 2014

蜘蛛巣



湧水で蕎麦を食ったあと、開放中の神代植物公園の中を通って帰ると、無聊をかこつ御老人が集っている。自分はあの身分に辿り着けるのだろうか。