岐阜駅からもう少しだけ東海道線を西へ進む。車内では女子大生が「祭りのときの暑さはこんなもんじゃない!」と熱弁をふるっている。てっきり郡上踊りのことかと思ったが、「祭りはやなぱー必須だから」(?) などとも言っているので柳ヶ瀬の祭りのことなのかもしれない。列車が関ヶ原を過ぎる。元々、今回は関ヶ原のウォーランドを見るついでに岐阜に寄っていくことにしたものの、岐阜の見所が多くて逆に関ヶ原をスルーしてしまった。浅野祥雲は五色園とあわせてまた機会を設けようと思う。
米原からは北陸線に乗換。湖東の田んぼ越しに見える琵琶湖はまったくの海である。北陸線を10分ほど乗車して長浜駅で下車。琵琶湖口の旧長浜駅舎と長浜城は遠目に眺めるに留め、市街の伊吹口へ降りる。駅前にやんちゃな高校生たちが屯っているので、あまり関わりあいにならないように横をすり抜けていくと、ポルトガル語が聞こえた。ちらっと盗み見てみると、若かりし頃のクリスチャーノ・ロナウドのような髪型をした男前である。夕日を受ける長浜タワーを仰ぎ見て、堅ボーロ本舗に伺う。古い街並からは木のいい匂いがする。長浜は午後6時で、どこもかしこも店じまいしており、目をつけていた駅前の食堂もすっかり家族団欒の時を過ごしている。代わりに駅の近くで見つけた郷土料理店の焼鯖素麺定食でさっぱりといくかと入ってみると、意表をついて熱い素麺であった。奥で蓮根の蒲焼の話を延々としている役所かなんかの視察旅行っぽい集団は、阿波の国の方々だそうだ。スーパーでおにぎりせんべいなどを買って、商店街にある町家の旅館に投宿した。