7月27日。全開に響き渡るクマゼミの声が、どうにも関西の朝である。とにかく朝からめっぽう暑いので、敦賀でカレー蕎麦に挑戦するのは断念し、湖北名物のサラダパンで済ますことにする。長浜~敦賀開通130周年のヘッドマークが掲げられている北陸線を木ノ本駅で下車し、つるやパン店を目指す。木ノ本の路地裏を歩くと、伽羅の香りがそこここから漂ってくる。刻みたくあんをコッペパンに挟んだサラダパンは、予想以上にいける味わいであった。小一時間木ノ本をふらついて、次の敦賀行きに乗ると、先程あれだけいた学生はもうまったくいない。敦賀駅前のメーテル像は、敦賀が欧亜国際連絡列車の港であることから来ているらしい。今年はウラジオ航路開設からも110周年である。もしウラジオに行くことがあるなら、どうしても敦賀から行きたいと思う。