Saturday, March 30, 2013

青葉城恋唄



3月24日。朝一で仙台から東北線の利府支線に乗ってみた。途中の新利府は車両基地の町。新幹線がずらりと並んでは、新しいこまちの姿も見える。この線は利府の住民用というよりJR職員用なのかとも思ったが、利府からの折り返しは地元の方でいっぱいになるし、本数も意外に多い。乗ってきた列車は折返しで福島行となり、そのまま乗車して仙台の1つ先の長町で降りる。小体な長町のマーケットを鑑賞し、郡山餅店で味付けおにぎりを買い食いする。

長町からは地下鉄で勾当台へ。定禅寺通を西に進み、古本屋のマゼランが開店するまで、せんだいメディアテークで少し時間をつぶす。ミュージアムショップの民芸品に目移りしてグルグルと何周もしてしまい、結果、どうしたらよいのかわからなくなって岡本太郎のLEDガチャを1回だけ回すに終わる。この日は薬物防止キャンペーンのイベントが開かれるらしく、ご当地アイドルだというテクプリという女の子らがリハーサルでエレクトロな青葉城恋唄を歌っていた。そろそろかと思ってマゼランに伺ったものの、まだ準備中で掃除機をかけている状態だったで、またの機会ということにする。

定禅寺通から国分町を抜けて一番町を新刊書店の金港堂まで歩む。店内には昔ながらの木製本棚の島が並び、天井からは年代物の分類板が下がっている。岩波文庫でロシア文学とかのインデックスを見るのも久しぶりだ。こんな素晴らしい文化財は守っていかねばなるまい、などとつい年寄扱いしてしまいそうになるが、検索機も備え付けてあれば棚も活き活きとした本屋であり、全くもって余計なお世話なのである。とりあえず岩波文庫から室生犀星の『或る少女の死まで』を購入。

昼食に伺おうと思っていたオジーノカレーヤの開店までの時間潰しに、今度は東北大学の中をぶらぶらして魯迅の像などを見かける。魯迅さんが学んだという階段教室あたりの古い建物は現在はジェンダー研究所になったりしている。キャンパス内でご隠居様方の撮影会がはじまってしまったところで、開店を前にオジーノカレーヤへ。ひっそりとした玄関まわりには開店しそうな雰囲気がしないので、ウロウロと覗き込んでいると玄関の引き戸が開く。営業されるのですかと尋ねると、早い時間は予約でいっぱいで一時過ぎならとのことであった。ということで残念ながらパス。

オジーノカレーヤで昼を食うために仙台の出発を遅らせていたこともあり、何かしらオジーに行かなかったメリットが欲しかったため、一本前の電車に乗ろうと急いで仙台駅に戻る。そんなに仙台駅に来ているわけでもないのに、何故か仙台駅で立食い蕎麦になるのは三回目である。白石行の車窓から蕾になりかけの遠大な桜並木が見えて、あれが一目千本桜かと振り返る。珍しく福島からは黒磯までは直通の便であった。