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9月22日。朝の7時過ぎ、意外にも喫茶中村が開店しそうな雰囲気をたたえているが、何時開店するかわからないのを待つことができず、やむなく通りすぎる。津大門シネマの跡地を見に行くと、来月に幸福の科学の映画を上映するらしい。廃映画館に入場できる貴重な機会だとは思うが、いささか悩ましいという方もいるだろう。
近鉄と並んだJR津駅のベンチに座り、列車を眺めていると、名古屋方面のビスタカーはガラガラで、賢島行きの特急は混合っている。参宮線に直通する4両編成のキハ48は、後ろ2両がガラガラ。阿漕で2本交換をしてから、列車は多数のカメラマンに見送られて雲出川を渡った。
松阪駅で下車し、駅前のベルタウン商店街をうろつき、喫茶光でモーニング。商店街を奥まったところで、成人映画館の松阪大映を見学する。上映がはじまる1時間ほど前だったので、周囲をゆっくり見学した。少し場内を覗いてみると、重ねて貼られた近日上映のポスターの地層の一番下に「リボルバー」の沢田研二の顔が見えた。上映中の作品は『ところてんの女』他3作。なかなか素敵な劇場だった。
映画館から色っぽい町を抜けいくと、青年時代を過ごした小津安二郎を記念した小津安二郎青春館がある。こちらもまだ開館前なので、前を通り過ぎるが、外観は大した見物ではない。旧伊勢街道を北に戻り、少し歩き疲れてきたところで、はちみつアイス最中。商店街には故障中と表示された本居宣長人形が駅鈴を手に固まっている。松阪城の宣長旧宅にはまたいずれ来たいと思う。