Tuesday, March 27, 2012

湿原



2月27日。石狩鮭めしと柳もちを購い、7時発の特急スーパーおおぞらに乗り込む。先年の特急脱線火災に続き、先日も派手な貨物列車脱線事故を起こした石勝線区間をなんとか無事にやり過ごしたものの、いつも心強いディーゼルの唸りがこの時ほど心細く聞こえたこともない。列車は根室本線に入り、帯広を過ぎる。斜面を雪煙が滑ってきたので見上げてみると、2頭のシカに睥睨されていた。終点釧路には25分ぐらい遅れて到着。すでに乗継ぐSL冬の湿原号の出発時刻を過ぎているので、素早く「たらば寿し」を購入。満席の車両に乗り込む。向かいの席にはカタギではないだろうという感じの中年男女。湿原に差掛かり、のんびり車窓を眺めていると、雪原に横たわった鹿のまわりに鮮血が飛び散っていたりするから、こっちもなかなか油断がならない。何故かたくさんの見送り客に溢れた塘路駅を出発すると、ホームがどうにも騒がしい。列車が停止して、煙の中から現れたのは、客車にしがみついている爺さんであった。機関車直後に連結している車掌車のデッキから後部を覗き込んでいると、運転室の方から「全く何考えてんだよ」との尤もな声。車掌さんも「前代未聞です…」とこぼしている。都合15分遅れて塘路駅を再出発。