Sunday, May 18, 2014

渦潮

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5月15日。神戸の墓参りが雨になったのは初めてだが、墓碑の上に延びた木の枝から落ちてくる毛虫たちは今年も元気である。今回は、神戸からバスで徳島に渡ってみようと思う。墓参を終えて駅に戻り、徳島行きのバスを待つ間、気になっていた新神戸駅北側にある布引の滝を見に行く。新幹線の駅から僅か数十メートルであの深山の趣とは、思った以上の見物であった。

新神戸を出たバスは三ノ宮のバスターミナルでだらっとするが、三ノ宮を出てからは1時間ほどで淡路島を渡り、鳴門公園に至る。大鳴門橋の道路の下は、鉄道を敷くはずであった空間が歩けるようになっており、海上に450メートルほど進んで、眼下に見事な渦潮を見下ろす。渦潮が見頃となる満潮の時刻の4時半を前に、少しづつ渦が出来はじめているが、パンクチュアルなおばさま達はきっちりと満潮の時刻を待っている。海上は風が強く、橋の東側ではなるとのような渦が、西側では小紋のような渦が巻いていた。

鳴門公園からは路線バスで鳴門駅へ。寺社風の岡田信一郎の作品をさらに仰々しくした感じの何かの新興宗教なのかと思った豪壮な建物は、大塚潮騒荘という大塚製薬の保養所らしい。海辺のロードサイドにはペンキで「芋」と大文字で書かれたドラム缶が見え、鳴門金時が販売されている。大毛島から四国本土へ小鳴門橋を渡っていると、ふと目に入った鳴門ボートの廃スタンドに思わず目を奪われる。ただし、既に南海地震の津波対策の護岸工事と新スタンドへの改修作業を進めているようで、廃墟となるものではないらしい。鳴門は大塚製薬のホームタウンなので、壁面にポカリ、ボンカレー、チオビタと大きくロゴや広告が描かれた工場なども見える。