先日、こんぴらさんの門前を素通りして帰って以来、必ずと言っていいほど道中に支障が生じるようになった。そういえば、こんぴらさんって旅の神様だったなと気付いてから、これはお詫びに伺う必要があるのではないだろうかと思い立ち、早々に戻って来ることにした。この日は門前の歓楽街には目も向けず、平岡精肉店のコロッケで腹ごしらえして、早速お山に登る。本宮まで800段ほどの階段を休み休み登り、ようやく参拝を果たす。これだけ登ると、山上からの讃岐平野の眺めもなかなか見事だ。旅の安全を祈って黄色のお守りも購い、資生堂パーラーの神椿で小憩して下山する。胸のつかえも取れ、清々しい気持ちで下山していると、参道の土産店の店頭で目に入った「金のたまる人」という手拭いに、「一、感謝のできる人。二、収入以下の生活をする人。」とあるのを見つけて、ふいに心苦しくなる。
琴平からはことでんで高松へ。遊郭埠頭の城東町の夕焼けをしばし眺めてから、中央商店街を通って瓦町の方に延々と歩く。アーケード街のうどん屋で、とり天ぶっかけをいただいて投宿した。