Sunday, May 03, 2015

宇宙船



叔母の葬儀のため急遽新潟を訪ねた。JR東日本の新幹線は久しぶりで、車内誌のトランヴェールも久しぶり。巻頭のエッセイは山田五郎の「旅先はアート日和」という連載で、第二回にあたる今号は裏磐梯の諸橋近代美術館について書かれている。高崎線が通るあたりから望む、遠くにうっすらと広大な関東平野のへりが見える風情はいい。

北陸新幹線が出来る以前には、長野や直江津まで信越本線の特急に乗って何回か碓氷峠を越えたことはあるが、上越新幹線が出来る前の特急「とき」には残念ながら乗っていない。上越新幹線は清水トンネルを過ぎてもトンネルばかりだなと車窓を眺めているうち、下りの上越新幹線に乗ったのは初めてかもしれないことに気付く。思い返してみれば、乗ったのはいつも夜に東京へ帰る時で、そういえば、車窓の印象も高崎観音ぐらいしかない。越後湯沢のトンネルを抜けて北の斜面を振り返ると、まだ山は雪がちだ。沿線は次第に田植えの風景となった。

新潟の駅前で寿司を軽くつまみ、親類と待ち合わせてタクシーで斎場に向かう。タクシーの運転手によると、この日の新潟の混雑はサザンのコンサートのせいらしい。斎場のすぐ近くには成人映画館の映劇大要があり、その姿を覗き見してきたくなるものの、流石にちょっと抜出してくるわけにもいかない。通夜を終えて、駅前のホテルに投宿。平服に着替えて、駅前をぶらっと歩く。コンビニの本棚の一等地にある雑誌が「財界にいがた」というのが流石に新潟らしい。