Friday, September 14, 2012
花巻まつり
9月7日。のんびり進む新幹線のやまびこは白石蔵王だけを通過して仙台に10時に着いた。白謙でかまぼこを購い、東北本線に乗り継いで、更にのんびり北を目指す。瞬間松島を垣間見て、東北本線を仙台平野に進むと、次第に田圃が黄色がかっていくのが見える。仙台から乗り合わせた行者風の人がひどく念入りにストレッチしているので、長く電車に乗った体を解しているのだろうと思ったが、植芝盛平翁を思わせる行者様は、終始延々とストレッチをし続けて、伊豆沼の新田駅で降りて行った。伊豆沼はまだまだ蓮の花盛りである。解体されかけているホーム跡に引込線が続いているのが見える石越駅のことを調べてみると、伸びているのは引込線ではなく、かつて営業していた栗原田園鉄道の跡のようである。栗原鉄道保存活動中の学芸員の方が亡くなったのは、確か大震災の3年前の岩手宮城内陸地震の時であった。
花巻はこの日から花巻まつりで、跨線橋には花飾りがずらりと垂れ下がり、駅から祭り気分で溢れている。駅を出れば、中心街の上空と思われるあたりにアドバルーンが浮かんでいるのが見え、号砲の花火がドドンと鳴った。行きがけに照井だんごで経木団子などを購い、まずは腹ごしらえにマルカンデパートへ向う。マルカンランチは軽くやり過ごし、メインのソフトクリームを堪能する。マルカンデパートの大食堂では、刺青柄の鯉口シャツを着た少しやんちゃな若衆がさっそく酒盛りをはじめている。デパートを出て、寂れたスナック街でも廻ろうと路地に入ってみると、祭りの準備をする方々の予想外の人出に面食らう。スナックから顔を出して様子を伺うおばちゃんに、祭りを見に来たのかというようなこと聞かれるが、残念ながらいまいち聞き取れない。祭り初日の平日ということで、昼間は試運転程度の山車の行軍だったが、通りがかった巨大な龍の山車に近づいてみると、首がニョキっと伸びては目を光らせ、おまけにぶはっとシャボン玉まで吹き出していた。大通りにはすでに場所取りのビニールシートの姿も見え、夜はさぞやと思わされつつ、花巻市街を後にして、バスで鉛温泉に向かう。