Monday, April 07, 2014

都城

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4月4日。ソラシドエアの機内誌である「ソラタネ」の4月号は南さつまの特集で、秋目浦で行われた『007は二度死ぬ』撮影の記事が誌面を飾っている。早朝の飛行機は、向かい風のため10分ほど遅れて宮崎空港に到着。空港では練り物やふくれ菓子に目移りするが、着いたばかりで土産を買い込むのは如何なものかと、からいも団子のみを購うにとどめる。

4月の初旬とはいえ、やはり宮崎は南国風情である。空港に直結しているJRに乗り込み、まずは日豊本線へと合流する南宮崎駅に出る。南宮崎駅の売店で宮崎のソウルフードだというミカエル堂のジャリパンを買い足し、閑散としたクロスシートのクモハ817でゆったりと都城へ向かう。清武駅では、吉松から都城を通ってきたキハ47の宮崎行きと交換。ミカエル堂のパンの袋のどことなく砂糖でベタついている気取り無さもまた良い。南九州はもう随分と緑が濃く、ソメイヨシノなどははあらかた散っている。沿線には気の早い鯉のぼりが泳いでいるのが見える。きな粉まみれになりながらいただく、あんなしのからいも団子が美味い。都城は、以前から交通の要衝として、地図帳上で気になっていた地で、映画の『鉄砲玉の美学』の舞台として興味があった町だ。列車が都城駅を出て、菊竹清訓の都城市民会館が見えて来ると、ほどなく終着の西都城駅に到着した。

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西都城の駅を出て、まずは列車から見えたメタボリズム建築の市民会館に向かう。こちらは解体の予定を覆して保存された建物とのこと。機械仕掛けの蝸牛のような威容が、長い閉鎖に荒んでいる。歓楽街の牟田町を歩いていると、商店街全域において花環外交が盛んなようで、「新規開店」「開店数周年」「ママのお誕生日」…と、いたるところに花が溢れている。都城の街中では、已にツバメが飛び交っている。