4月5日。朝のニシタチ(西橘通り)は頭上が不安になるほどカラスまみれで、立ち止まるのも憚られるほどである。人情横丁まで行って朝焼けに輝く成人映画館「宮崎ロマン」のロマンな入口を眺め、あおぞら通りに戻って、有蓋のショッピングセンター青空を訪ねる。朝餉には「きっちょううどん」の天玉かうどん。おばちゃんが勧めてくれた青とうがらしのトッピングがなかなか美味い。一足先に食べ終えて前を歩いている若者が、ジダンばりに手鼻を粋に飛ばして去っていった。
宮崎駅からは日豊本線で北上する。クハ816の延岡行各駅停車はなかなかの乗車率で、折畳み席に着席。乗客はみるみる減っていくものだと思っていたら、佐土原駅では逆に混み合ってくる。高鍋でほとんどの学生が降りると、右手には日向灘が広がっていた。都農駅を過ぎたあたりから、すぐ脇に高架線が現れる。何だろうと見ていると、高架上に太陽光発電のパネルが並んでいるので、役目を終えたリニアの実験線跡だと気がつく。ニョーヨークの緑溢れる廃高速道路もいいが、田園の中、太陽光パネルの並ぶ廃高架リニア線もまた良い。こちらではもう田植えが進んでいる。