Friday, November 28, 2014

農連市場

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11月23日。台湾人の屯するロビーを抜け、外へと朝食に出る。殺風景に拡張された神原大通りから、神里原社交街の僅かな名残をかすめて歩く。朝を迎えたスナックのおばあたちは椅子に座ってゆんたくしている。農連市場の入口あたりまで行き、丸安そばで沖縄そばの朝餉。首里人の知人に薦められたイナムルチという白味噌汁は残念ながら品切れ。歩道にむき出しの路面カウンターに座り、赤黄の沖縄箸「うめーし」でそばを啜る。カウンターの中のおじいがおばあに説教しているのを聞き、やっと本気のウチナーグチに接した気がした。

丸安そばから、そのまま休日の農連市場へ進んで見学する。市場を流れるガープ川に架かる人道橋は、一つが朽ちかけて既に閉鎖され、もう一つの橋も12月に閉鎖される旨ハリガミが告げていた。橋上から川を覗きこむと、朝日に照らされた水中に魚がうじゃうじゃいるのが見える。天井の隙間から日の射し込む閑散とした休日の市場は何とも美しい。農連市場は来年度の再開発が決まっているのだという。

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ガープ川沿いに宿の方へ戻り、大平通り商店街のアーケードに入ると、「ここはお国を三百里〜♪」と何故か鶴田浩二の歌声で軍歌が流れてきた。アーケード街の中でも、この大平通り商店街から新天地市場あたりの水上店舗の風情は特に素晴らしいものがある。

部屋に戻って荷をまとめ、10時を過ぎて宿を発つ。モノレールの48時間パスがあるうちに一旦空港まで荷物を預けに行くことにして、市場通りを見ながら牧志の駅に向かう。午後にじっくり見ようと思っていた公設市場がやけに静かなのは、定休の第4日曜に当たっていたことに気付いて少し愕然とした。気分直しに呉屋てんぷら屋まで行き、さかな、いものてんぷらとサーターアンダギーを買い食い。どれも美味い。出来立てなので他と比べるのも申し訳ないが、サーターアンダギーはここのが一番美味かった。