Thursday, November 27, 2014

桜坂

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夕方の那覇市内は酷い渋滞で、バスを途中の安里で諦めて、歩いて牧志を目指す。この日の宿は台北で紹介された桜坂下の三和荘。夕暮れの桜坂社交街をふらふらと宿に向かっているうち、いつの間にか路地に迷い込んでいる。行き止まりかと思って立ち止まると、こっちに来いとネコが言うので、付いていくと大通りに抜けた。宿はやはり台湾コネクションが強いのか、ロビーには中国語が響いている。壁には長年密入国の取締に協力してきたことへの感謝状が掛かっている。

手早く旅装を解いて、あたり一帯に広がる大アーケード地帯へ散歩に出る。まずは18時に閉まってしまう古本屋のうららに急ぎ、凝集された沖縄本を眺める。1冊だけと思って選んだのは昭和58年刊の『沖縄の地理ものがたり』という児童書。シッタンガラガラと走っていた軽便鉄道の古写真と近未来を予想したモノレールの完成予想図が並ぶのが良い。

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公設市場は明日行くのを楽しみにしてやり過ごし、市場本通りをそのまま進む。うずたかく積まれたサトウキビを、その場でガリガリと搾ってもらい、ジュースにして飲んでみる。新鮮な青みがバナナっぽくもあり、なかなか美味い。サトウキビは糸満でその日に取れたものだという。他に大店の製菓店でサータアンダギーやポーポーなどを購う。晩餐には国際通りのA&Wに入り、ハンバーガーとカーリーフライ。ルートビアーがジョッキじゃないのは残念だが、バーガーもフライも悪く無い。店内はほぼ近隣中高生の自習室。店内のBGMにあわせて口ずさみ踊る姿も沖縄の風情だろう。

竜宮通り社交街から桜坂社交街と進んで、映画館の桜坂劇場に赴き、古書や民芸品などを一頻り見て回る。桜坂劇場では、来週には早川義夫の弾き語りライブがあるらしい。夜も更けて人もまばらになってきたアーケード街に戻ると、琉舞の出し物が粛々と披露されている。静まりかえった商店街では、喫茶スワンの灯りがポツンと灯っている。宿に戻ると、カウンターのお兄さんが台湾のカップラーメンをくれた。