Thursday, November 27, 2014

マルフクレコード

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コザからゴヤの十字路に向かう途中、沖縄県最後の銭湯である中乃湯の前を通る。営業時間までは数時間あるので、ひとまず渋い事務所だけでも覗いていく。かつてのBCストリートであるパークアベニューまで進み、大衆食堂ミッキーで午餐。BGMにかかるバングルズや、ポーラ・アブドゥルのストレイト・アップにあわせ、先客の米兵たちが「oh oh oh」と間の手を入れながら口ずさんでいる。米兵は皆オリオンのジョッキを前にしていたが、作業着姿の人々も正午からオリオンを飲んでいてなんだか羨ましい。

照屋楽器店などを眺めてパークアベニューを少し歩き、中古レコード店の'69を脇に入って、バルミラ通りからアーケードの一番街に入る。アーケードの下ではアメリカ人の少女たちがワンツスリーと唱えながらステップを踏み、街をグルグルとパレードしている。アーケード街の中にあるらしいダンス教室の行進を見守る一番街のご主人たちの表情は、温かいような苦いような微妙な感じである。

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ゴヤ市場を抜けると、嘉手納基地第2ゲートに連なる「ゲート通り」に出る。基地からズドンと突き抜けてくる大通りのアメリカっぷりはなかなかの見物である。少し戻って普久原楽器を訪ね、1927年創立の自社琉球民謡レーベル、マルフクレコードのカセットテープ『沖縄民謡大会1』をコザ土産にもとめる。楽器エリアでは基地のガキ連が賑やかに素見している。

国道のスーパーサンエーで自家製のサーターアンダギーや郷土菓子のタンナファクルー、ローカルパンのなかよしパンを買い込み、中の町の社交街を通って公園で小憩。暫し佇んでサーターアンダギーをつまむ。いつの間にかすっかり晴れ上がった空の下、ジャンパーを羽織った関西弁のオッチャンが半袖で歩くナイチャーを見つけ、「真夏の格好やな。さぞかし今晩は燃えるんやろな」みたいな艶笑噺でもてなしてくれた。