Wednesday, September 22, 2010
津山
高松駅から芸術祭ヘッドマークのマリンライナーで瀬戸大橋を渡り、岡山駅からは津山線の快速ことぶきで津山まで。津山は駅前からまず廃映画館がお出迎え。町並み保存エリアをちらっと見て、津山城に赴き、つやま自然のふしぎ館をじっくり観賞する。ミナミゾウアザラシVSホッキョクグマのド迫力のジオラマには、巨鳥アホウドリが花を添えている。ガラスに西村旅館とある美しい建物を町中で見つけて調べてみると、とうの昔に廃業していた。なかなか生き生きした佇まいだったので、津山事件の美作加茂を再訪する際にでも…と目論んでみたのだが残念。駅の南側に廻って訪ねた扇形の機関庫は、機関庫が壮観であるのみならず、キハ58、キハ52、DD51などが収まる大ディーゼル天国であった。ぶらぶらしてるうち、ホルモンうどんを食う時間がなくなったが、まあホルモンうどんはいいか。夕方の津山線上りは立つ人も多数いるぐらいの混みよう。岡山駅でダッシュして最終の空港リムジンバスに乗る。台風が迫って雷も眩い中、飛行機は案外定刻通り羽田に辿り着いた。
Tuesday, September 21, 2010
高松
7日。晴れやかな朝の遊郭街を出て、片原町のカフェー街を抜ける。立ち読みした美術手帖で見つけた喫茶城の眼はやっていない。瓦町まで歩いて汗にまみれてきたので、朝一ながらもフラペチーノ。瓦町から琴電志度線に乗って琴電屋島駅に着くと、駅前に屋島山上行きのバスが待っていた。先客はお遍路さん一人で、自分が乗るとすぐバスが出る。ハンミョウの跳ねる後を追って、人気の無い山道を、屋島ケーブル屋島山上駅跡まで登る。駅跡横の土産品店はてっきり廃屋かと思いきや、仕舞屋には子供もいる大家族がお住まいで、誰もやってこない駅跡前も含めて開放的に暮らしていらっしゃるので、閑散とした廃墟を堪能するつもりが、恐縮しつつお庭を拝見させていただくような感じになる。静粛にバス乗り場に戻り、閉じられたレストセンターをぐるりとして、瀬戸内を一望。残念ながら海上にファスナー船は見当たらない。山を降りて、登山口側の方の駅跡も見た後、昭和4年築の琴電屋島駅でしばし休む。高松駅に戻り、駅近のセルフうどん屋でちくわ天とざる。
Monday, September 20, 2010
予讃線
道後温泉から松山駅に戻る途中で市電を降り、大街道の食堂アサヒで鍋焼きうどんといなりずしをいただく。松山発の今治行はほぼ満席。今治は駅前のカフェー跡の一角がひじょうに素晴らしい。丹下健三づくしの役所街を抜け、ドンドビからのびるアーケード街をぶらつく。かき氷の登泉堂に行くと、今シーズンのいちごみるくが終了したとを知ってショックを受けるものの、いよかんミルクもぞんぶんに美味い。席についた列車が逆向きの列車だと発車寸前に気付いて飛び降り、冷や汗をかきつつ今治を後にする。瀬戸内を望む箕浦駅で夕暮れ。午後8時前に高松駅着。美しい夜の高松駅前広場を抜け、ことでんの高松築港駅へ。瓦町まで2駅乗ってから歩いて戻る途中、手打ちうどん鶴丸でカレーうどん。カウンターの隣になった先客のフランス人がおかわりを何うどんにするか悩んでいる。水面に映る特殊浴場のネオンを眺めながら、遊郭埠頭の城東町に向かい、安宿に投宿。
Sunday, September 19, 2010
道後
6日。なかなか布団を抜け出せずに、名物?の早朝やまこうどんは挫折。宇和島駅のベンチには年季の入ったてんやわんやの善助餅の広告が見える。焼きたての宇和島あんぱんを買って、6時17分発の松山行各停に乗車。キハ185系特急型気動車の2両編成である。宇和島からの乗客は3人。最短ルートの内子線経由で松山に向う列車を伊予大洲駅で降り、海沿いを行く予讃線の本線に乗り継ぐ。1両の気動車は数駅進むとジャージの女の子一人だけになった。海の見える駅として名高い下灘駅も、上りの車内から見ると案外面白味に欠ける。過ぎ去る旅客上屋のベンチを見てみると、女子3人で鉄の会らしきものが催されていた。松山からは市電に乗って道後温泉へ。道後ミュージックの「お盆特別企画・怪談ストリップ」に魅かれつつ旧ネオン坂を散策し、びっしり汗をかいて道後温泉本館へ向かう。湯籠で湯に通う老人の渋さに唸らされ、開放的な二階の大広間で寛ぐ。二階席はお茶菓子つきだが、暑いので湯上がりにはサイダーをいただいた。土産用のタオルも忘れずに購入。
Saturday, September 18, 2010
宇和島
予讃線の終点宇和島に着き、駅前にとった宿で自転車を借りる。駅の売店で「四国キヨスク天然水」というペットボトルの水を買ったが、あまり好きじゃない。自転車を漕ぎだすと、駅からほどなくして大竹伸朗のアトリエを過ぎる。アトリエ前を流れるこじんまりした辰野川は無機質に護岸されてるくせにカワセミなんかがいて驚く。しばらく川沿いを遡って行くと清家新一の宇宙研究所があり、なおざりにされたガラスケースには砥部焼のメビウスの輪や「超相対性理論」が飾られている。宇和島を一望しようと城山を登りかけたところ、自転車を降りた途端にコワイぐらい汗が噴き出してきたので自重。コンビニで買った冷凍のペットボトルをタオルで首裏に巻き付け、宇和島港でしばし佇んで少し持ち直す。ここだけは外せないと思っていた多賀神社の世界一の性資料館こと凸凹神堂を訪れて、大いなる感動に打震える。これはパンフ1万円でも買って帰りたい。最後に駅の北側の転車台を少しだけ眺め、自転車での周遊を終えて宇和島駅に帰還。『てんやわんや』の岩松に向うバスに激しく引かれながら、晩飯にいただいた宇和島風の鯛めしも美味い。宿に落ち着いて凸凹神堂で買った凸凹よろこびおみくじを開く。「よろこびの舟を操り竿立ててさし引きてこそ夜々は甘美しき~小吉」とのこと。
Friday, September 17, 2010
豊後水道
5日。昨晩の到着は別府ニュー南映の終映に間に合っていたのだろうか、などと思いながら、朝の別府をぶらぶらする。別府の町はどこまで行っても途切れない広大なスナック街であった。コンビニのエブリワンでパンを買い、バスで別府港へ。豊後水道を渡るために、運送申込書を記入する。二等船室でゴロ寝していると、常連さんの御一行様がやってきて、テレビのスイッチを入れた。細長い佐田岬半島には延々と風力発電の風車が並ぶ。気候も空も甚だしい。二時間半ほど乗船し、正午を過ぎて八幡浜に入港。八幡浜は街からすぐに段々畑がせり上がっている。八幡浜第一防空壕というのが残っているというので見に行ってみると、入り口のクモの巣にナナフシが絡まって干涸びていた。屍骸ながらも天然のナナフシは初めて見たので、心中密かに興奮する。防空壕の隙間を漏れてくる冷気も何とも心地いい。当てにしていたちゃんぽん屋が臨時休業だったので、早めに特急宇和海に乗車し、じゃこ天をかじりながら予讃線を南へ進む。列車から見る『大番』の伊予吉田の入江もまた美しい。宇和海の深くて細いリアス式海岸は、何度地図で見ても見惚れてしまうばかりだ。
Thursday, September 16, 2010
べっぷ
熊本からは九州横断特急で九州を横断して別府まで。夕闇の阿蘇山に後光が射している。大凡の乗客が大分で降り、別府に行く人は少ない。駅の食堂でとり天定食。サラダのごまドレッシングの味付けがいかにも九州らしい。駅前の通りからは、キャバ嬢の小隊が続々とつかまえた客を歓楽街に運んで行く。駅前通りのビジネスホテルに投宿すると、部屋に直接お嬢さんとかを部屋に呼ばないでくださいとのお願いなど。ただし、ロビーで待ち合わせればいいらしい。旅装を解いて、ふらっと外の温泉に出かける。風俗街の真っ只中にある竹瓦温泉には、もちろん呼び込みの林を抜けねばたどりつけない。これが張り店ならいいのにと思ったりする。
Wednesday, September 15, 2010
肥薩線(川線)
SL出発の少し前に人吉駅に戻ったものの、既にSL祭りは華々しく開催中で、立売りの弁当売りも忙しい。なんとか獲ってもらった全席指定の列車は、勿論ぎっちり満席なので、展望車両に避難して窓に張りついた。人吉から北の肥薩線は、球磨川沿いに渓谷を縫って進む。橋梁を渡る際に、大人げない感じで写真を撮っていると、光栄にも仲間と思って下さったのか、50代ぐらいの白人男性が1/10クラスの自作蒸気機関車のアルバムを誇らしげに見せてくれた。それにしても、SL人吉はあまりに沿線中の人が手を振って歓迎してくれるので、心の閉じた自分みたいなものでさえ、最後はなんだか楽しくなってくる。ただ、軽自動車に乗ったおばちゃんが小旗を降りながら延々と並走してくるのには閉口した。八代でドサっと乗客を降ろしたSLは遠くに雲仙を望みながら熊本駅に入線し、ここで友人とのツアーは終了。近い時期の上京と、各自ツアーの報告会を約束して別れた。
Tuesday, September 14, 2010
肥薩線(山線)
4日。天文館から市電で鹿児島中央駅に出て、黒い特急の「はやとの風」に乗り込む。駅売店で買ったまるはちふくれ菓子が美味い。錦江湾越しに桜島を回り込み、隼人から肥薩線に入る。いにしえの木造駅舎が残る嘉例川駅・大隅横川駅ではしばし停車して、乗客総出の大撮影大会。吉松駅からは観光普通列車「しんぺい」に乗継ぎ。待機中のキハ47のモーターが、ホースからの散水で冷却されている。肥薩線のしんぺいエリアは日本三大車窓の矢岳越えに、ループとスイッチバックの連続がある大サービス区間であった。人吉では「SL人吉」の発車まではしばらく時間があるので、市街を少し散策する。この日にNHKが走らせていたBSデジタル号という企画列車とかち合ってしまったせいか、当たりをつけていた鰻屋は満席。ふらふらと人気の無い新温泉を覗いていると、向かいの家から「BSの人?」と声をかけられる。肥薩線を南下して人吉にやってきたBSデジタル号の生中継をつい今し方まで見ていたとのこと。時間つぶしに入った喫茶店でいただいた長崎風ミルクセーキが何とも美味かった。
Monday, September 13, 2010
両棒餅
鹿児島市内に戻って、まずは両棒餅。磯浜に並ぶ「男はつらいよ」の舞台である中川家と、向田邦子のエッセイでも有名な平田屋の両店で購入して持ち帰ると、客引きに熱心な中川家の視線が冷たい。磯浜の向こうでは桜島がバフバフと灰を吹き出している。桜島フェリーに乗って、両棒餅をむさぼる。平田屋圧倒的。両棒餅は、今宮神社のあぶり餅を素朴にした感じでとても美味い。それにしても桜島西側の降灰凄まじい。市内に戻り、寂れた名山堀の飲屋街をきょろきょろしていると、二階から飛んできた冷や水が目の前をかすめた。晩は天文館でせいろ蒸し料理。デザートに安納芋のアイスが出ていたけど、帰りにローカルアイスだというブラックモンブランも食う。はずれたけどくじ付き棒がかわいい。この日は天文館の安宿。
Sunday, September 12, 2010
007は二度死ぬ
3日。旅館の朝食はよくあるバイキングだが、あくまきという当地の餅菓子がなかなかいい。宿を後にすると薩摩半島を西岸に向かう。池田湖でイッシー像と戯れ、巨大うなぎを見て歩く。開聞岳が見事だ。リアス海岸沿いに車を進め、絶景の丸木崎展望台で小憩する。案内板にある憧れの甑島は海上に望めなかったが、眼下に見える美しい入江の丸木浜に降りてみる。薩摩半島西岸の目的地は『007は二度死ぬ』の秋目浦。後年建てられたロケ記念碑は勿論、浜美枝と新婚生活を送るジェームズボンド邸が現存している。入江にある食堂兼売店で少し話を伺い、懐かしい感じのパインキャンデーで涼む。秋目浦からは吹上浜は経由せず、薩摩半島を突っ切って鹿児島市内に向かう。途中、九州ローカルのファミレス、ジョイフルでざっと昼飯。
Saturday, September 11, 2010
指宿
宮之城から曽木発電所に辿りつくのに手間取ったため、他の寄道は自重して、宿をとっている指宿に直行する。一旦宿に入り、外にある砂蒸し風呂の砂楽へ向かう。砂蒸し風呂なんかと思っていたが、ズシリとくる砂の重さがなかなか気持ちいい。iPhoneやらケイタイやらよろず撮影機器全般を手慣れた感じで次から次と取り替えて撮影していた砂掛けの兄ちゃんが撮ってくれた写真の仕上がりの投げやりぶりには感心させられた。宿で供された季節の懐石プランの夕食は、残暑激しい秋懐石で若干季節を早どりし過ぎた印象を残しつつ、薩摩焼の器が美しい。食後は旅館の大浴場へ。バカバカしいまでの規模を誇る元禄風呂を楽しむ。もちろん花魁風呂も。
Friday, September 10, 2010
宮之城
9月2日。鹿児島の友人を訪ね、友人3人と飛行機に乗った。しばし友人との再会を祝し、出迎えてもらった車で、空港からさつま町へ向う。廃線となって久しい旧宮之城線の宮之城駅跡を軽く素見し、生家の製麺所を見学する。これがまったく素晴らしい産業遺産だった。午前の作業を終え、蕎麦粉と切れ端とが散乱した床に射し込む光が美しい。婆さまにアイスやサイダーをふるまっていただき、歓待を受ける。製麺所を出てからは、曽木発電所の遺構を見に大鶴湖へ。鶴田ダムが出来て水没した旧曽木発電所は、夏の間だけ姿を見せる。曽木発電所に来たついでに寄った、東洋のナイアガラこと曽木の滝も存外に見事だった。曽木の滝のレストランで黒豚カツ丼。
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