SL出発の少し前に人吉駅に戻ったものの、既にSL祭りは華々しく開催中で、立売りの弁当売りも忙しい。なんとか獲ってもらった全席指定の列車は、勿論ぎっちり満席なので、展望車両に避難して窓に張りついた。人吉から北の肥薩線は、球磨川沿いに渓谷を縫って進む。橋梁を渡る際に、大人げない感じで写真を撮っていると、光栄にも仲間と思って下さったのか、50代ぐらいの白人男性が1/10クラスの自作蒸気機関車のアルバムを誇らしげに見せてくれた。それにしても、SL人吉はあまりに沿線中の人が手を振って歓迎してくれるので、心の閉じた自分みたいなものでさえ、最後はなんだか楽しくなってくる。ただ、軽自動車に乗ったおばちゃんが小旗を降りながら延々と並走してくるのには閉口した。八代でドサっと乗客を降ろしたSLは遠くに雲仙を望みながら熊本駅に入線し、ここで友人とのツアーは終了。近い時期の上京と、各自ツアーの報告会を約束して別れた。