Monday, July 15, 2013

美唄



岩見沢駅から函館本線を3駅ほど北に進むと美唄駅。正午を過ぎたので、駅前の喫茶店で美唄名物だという「中村のとりめし」のセットをいただく。少しく時間がかかった末に出てきたものが、いたって上品でかわいらしく、一瞬甘くみてしまったものの、なんともしっかりと味わい深いとりめしであった。

美唄の駅前からは三井美唄炭鉱のあった南美唄にバスで向う。ずいぶん遅れたバスの運転士の話に聞き耳を立ててみると、どうやら前のバスが車底を縁石にぶつけたようで、見れば行く道を延々と油の軌跡を残している。殆どの人が降りるかと思っていた南美唄中央では、思いのほか誰も降りず。判然としない運賃を運転士に尋ねると、いたく面倒くさそうで、あからさまな部外者であることに恐縮してバスを降りる。



人気の無い中央通りを外れ、映画館でもあったという互楽館を仰ぎ見て、晩年も間近かと思われる炭鉱住宅街を歩く。草に埋もれてしまいそうな砂利道の住宅街を歩くと、カラスが延々と後を付けてくる。今はほとんど面影もないかつて南美唄駅だったと思われるあたりに差し掛かって突如現れたトラックは、かつて駅前商店だったと思われる商店跡に止り、自販機で缶飲料を買って去って行った。思いのほか機能している自販機群に感心しつつ、いろはすのハスカップで炎天下の喉を潤す。