Tuesday, July 16, 2013

美國



南美唄からの帰り、バスから外を眺めていると、先ほどの不機嫌な運転士が、派手に油の跡が残る地点で警察に事情聴取されていた。彼が油をぶちまけて走行した事故の当事者だということなら、あれだけぶっきら棒で不機嫌だったのも止むを得まい。昼に駅前を歩いた時に営業しているのを確認して、後で行くのを楽しみにしていた駅前の純喫茶ドールを訪れてみると、まだ16時にもならないのだが、すっかり閉店してしまっており愕然とする。致し方ないので、銀座街のスナック郡を一頻り鑑賞し、美唄を後にする。美唄駅のホームには「石狩の美國といへる停車場」の句のプレートが掲げられている。



まだ頑張れば悲別ロマン座に行けるかもと思いながら、初日から無茶はし過ぎないことにする。特急に乗車して明るいうちに旭川に到着。ひとまず宿で荷物を降ろし、買物公園に出て洋食屋の自由軒で肉ライスをいただく。店内のモニターにはローカル情報番組が流れ、石屋製菓などのCMが流れている。当夜の日ハム戦は注目のルーキーである大谷が先発だと告げている。往復で3kmあまりの大型書店コーチャンフォーに遠征しようかと思いつつ、やはり足を休めるべく手近のジュンク堂に思い留め、平凡社ライブラリーのアイヌ神話本、『カムイ・ユーカラ』を購う。店内には三浦綾子さんのコーナーもある。この日は『氷点』ゆかりの喫茶店「ちろる」はパス。旅の供にA字フライとえぞ厚焼を買い求め、早めに宿に戻って就寝する。