Sunday, September 28, 2014

平渓線

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9月24日。台湾二日目はしばし台北を離れ、臺鐵ローカル線の平渓線を乗りに遠出する。早めに宿を出て、特急券と平渓線の一日週遊券をもとめて地下に降りると、ホームには団体専用列車が停車中。車輌はこの区間では見ることができないと思っていた客車列車の復興號である。電気機関車に引かれていく復興號を羨ましく見送りつつ、こちらは8時発の特急自強號に乗込む。列車が市外まで長らく続いたトンネルを抜けると、もうすでに周囲は山がちで、煤けたビルに南国の樹木が霧に煙るという景色にクラクラする。昨日買った世界一のパンで贅沢な朝餐。マンゴーベーグルでは、改めてマンゴーというものにも感心させられた。車内の電光掲示板には「祝旅途愉快!」というメッセージが流れている。

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特急は36分で瑞芳駅に到着。瑞芳では多くの人が下車していったが、駅の外に出て行った賑やかな集団は九份に向かう方々だろうか。瑞芳から乗込んだディーゼルの列車は日本車輌製で、菁桐行の車内は凍えそうに寒い。猫で有名な猴硐でかなりの乗客を降ろし、三貂嶺という鬱蒼とした谷間の駅で本線から分岐して平渓線に入る。ほどなく十分の瀑布が一瞬見え、十分駅で列車交換して停車。ほとんどの乗客は十分で降りる模様である。平渓線では今もタブレット交換が行われている。

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菁桐駅に到着すると、古い木造駅舎は残念ながら工事中である。終点の駅を車止めの方へ歩いていき、線路脇に「内有餓犬」という大きく張り紙された犬小屋を見つける。駅裏の崖を上ると、菁桐坑の残骸が残っていた。植物はもう完全に南国のものである。駅前に戻って老街を歩き、老街を挟んで川沿いの日本式宿舎を見下ろす。蝸牛はかなり巨大で殻も見事。トンボや蝶も見たことのない種類で、トンボは臆せず人の前でホバリングする。再び駅前に戻り、肉や野菜を湯葉で巻いて揚げた菁桐名物の「雞捲」をつまんだ。